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出っ歯・上顎前突(Ⅱ級)の矯正を徹底解説|カリエールモーションを使った2段階治療とは

出っ歯・上顎前突(Ⅱ級)のカリエールモーション2段階治療の流れ|堺市・鳳 しま歯ならび矯正歯科
カリエールモーションを使ったⅡ級・出っ歯の2段階治療の流れ

先に結論です。「上の前歯が出ている」「下あごが引っ込んで見える」といった出っ歯・上顎前突(かみ合わせの分類では「Ⅱ級」)は、治療の初期にカリエールモーションという装置で奥歯の前後のズレ(Ⅱ級)をⅠ級方向へ整え、その後にワイヤー矯正やマウスピース型矯正装置で歯ならびを仕上げる「2段階治療」という選択肢があります。この記事では、装置のしくみ・治療の流れ・研究の裏づけ・費用の考え方までを、堺市・鳳(おおとり)の矯正専門の視点で、はじめての方にも専門的に知りたい方にも役立つように整理しました。

お子さんの「出っ歯が気になる」「口が閉じにくそう」というご相談から、大人の方の「横顔のEラインやかみ合わせを整えたい」というご希望まで、上顎前突(Ⅱ級)は矯正相談でとても多いテーマです。ただ、ひとくちに出っ歯といっても原因はさまざまで、最適な治し方も一人ひとり異なります。まずは「Ⅱ級とは何か」から順番に見ていきましょう。

この記事は、「出っ歯を治したいけれど、どんな治療があるのか知りたい」という一般の方にも、「カリエールモーションの作用や、研究でどこまで裏づけられているのかを正確に知りたい」という専門的に学びたい方にも役立つよう、やさしい説明と専門的な補足(青いボックス)を分けて書いています。必要なところだけ拾い読みしていただいても構いません。なお、本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の治療の効果を保証するものではありません。実際の診断・治療方針は、精密検査のうえで一人ひとりに合わせて決定します。

1. 出っ歯・上顎前突(Ⅱ級)とは?──”噛み合わせの前後関係”を理解する

アングルの分類:Ⅰ級・Ⅱ級・Ⅲ級

矯正歯科では、上下の奥歯(第一大臼歯)のかみ合わせの前後関係を「アングルの分類」で表します。上下の奥歯が正しくかみ合う関係をⅠ級、上の奥歯が下より前方でかみ合う関係をⅡ級(上顎前突傾向)、逆に下が前に出る関係をⅢ級(下顎前突・受け口傾向)と呼びます。いわゆる「出っ歯」はⅡ級で起こりやすく、前歯の突出(オーバージェット)が大きく見えるのが特徴です。受け口(Ⅲ級)との違いや骨格との関係については、骨格に起因する受け口や出っ歯(上顎前突)と遺伝の記事もあわせてご覧ください。

「出っ歯に見える」3つのパターン

同じ出っ歯でも、成り立ちによって治し方が変わります。大きく分けると次の3つです。

  • 歯性(しせい):あごの骨の位置は大きく問題なく、上の前歯が前に傾いている(歯の傾きが主な原因)。
  • 骨格性(こっかくせい):上あごが前方にある、または下あごが後方にあるなど、あごの位置関係が原因。
  • 混合:歯の傾きとあごの位置の両方が関与する。

どのパターンか、また成長段階(お子さんか大人か)によって、装置の選び方も治療計画も変わります。だからこそ、レントゲン(セファログラム)や口腔内スキャンを含む精密検査での見極めが欠かせません。

出っ歯を放置するとどうなる?

出っ歯そのものが必ず大きな害になるわけではありませんが、前歯が突出していると、口が閉じにくい・転倒時に前歯をぶつけやすい・見た目を気にしてしまう、といった機能面・審美面・心理面の影響が生じることがあります。気になる場合は、まず「治療が必要な状態か」を相談し、選択肢を知っておくことが安心につながります。

出っ歯と「口もと・呼吸・舌の癖」の関係

歯ならびは、あごの動きやかみ合わせだけでなく、呼吸や舌の位置とも関わっています。前歯が突出していると口が閉じにくく、口呼吸になりやすい、あるいは舌で前歯を押す癖(舌癖)が突出を助長する、といったことも指摘されます。原因と結果は一人ひとり異なりますが、こうしたお口まわりの機能まで含めて診ることが、後戻りしにくい安定したかみ合わせにつながります。当院が「見た目だけでなく機能性まで考慮した歯ならび」を目指しているのは、こうした背景があるからです。

なお、出っ歯(上顎前突)が生じる背景には、歯の傾きだけでなく、上あご・下あごの位置や大きさ、そして遺伝的な要素が関わることもあります。骨格と出っ歯・受け口の関係については骨格に起因する受け口・出っ歯(上顎前突)と遺伝もご参照ください。

2. Ⅱ級治療の考え方──”まずズレを整え、次に歯を並べる”2段階

なぜ順番が大事なのか

Ⅱ級を治すときの王道の考え方が、「はじめに奥歯の前後関係(Ⅱ級のズレ)を整え、その後に一本一本の歯ならびを仕上げる」という順番です。土台となるかみ合わせのズレを先に小さくしておくと、後半の歯ならびの調整がスムーズになりやすいためです。カリエールモーションは、この”最初のズレ合わせ”を担当する装置として位置づけられます。

この考え方には、いくつかの利点があります。ひとつは、治療の”むずかしい部分”を早い段階で片づけられること。もうひとつは、治療の初期は患者さんのモチベーション(協力度)が高いことが多く、ゴムの装着など協力が必要な工程を、意欲の高い時期に集中させやすいという点です。後述の研究でも、Ⅱ級の改善の多くが治療の初期に得られたと報告されています。もちろん、この方法がすべての方に最適というわけではなく、歯性・骨格性の別や成長段階によって最適な計画は変わります。

従来のⅡ級改善法との関係

Ⅱ級の改善には、歴史的にヘッドギア(上顎の前方成長を抑える装置)、機能的装置(下あごを前方に誘導する装置)、そしてワイヤー装置+Ⅱ級ゴムといった方法が使われてきました。カリエールモーションは、これらのうち「Ⅱ級ゴムの力で奥歯の関係を整える」発想を、治療の初期に集中して行う装置といえます。お子さんと大人で適応や進め方が異なる点は、小児矯正と成人矯正の違い子どもの矯正のページで詳しく解説しています。

3. カリエールモーションとは?──装置のしくみを専門的に、でもわかりやすく

装置の構造

カリエールモーション(Carriere Motion 3D)は、上あごの犬歯から第一大臼歯にかけて、お口の横に取り付ける細いバー状の装置です。前方(犬歯側)にはゴムを掛けるフックが付き、後方(大臼歯側)にはボール&ソケット構造のパッドが付いていて、奥歯を後方・外側へ整えながら回転(脱回転)させ、Ⅱ級の関係をⅠ級方向へ動かします。犬歯がまだ生えていない場合などには、第一小臼歯を前方の付着部として使うタイプもあります。

どうやって歯を動かす?──顎間ゴムの役割

動かす力の源は、上の装置と下の歯の間に掛ける顎間ゴム(がくかんゴム/エラスティック)です。ゴムの力で上の奥歯のまとまりを後方へ、下の歯を支点として作用させ、かみ合わせを整えます。顎間ゴムは矯正のさまざまな場面で使われる基本アイテムで、種類やかけ方については顎間ゴム(エラスティック)とは矯正用ゴムについてのページで詳しく紹介しています。

下あご側の”支え”(固定源)

ゴムをしっかり効かせるには、下あご側にも支え(固定源)が必要です。カリエールモーションでは、透明で取り外しのできるマウスピース型のリテーナー(クリアリテーナー)などを固定源として併用することが多く、状況に応じて舌側の装置や歯科矯正用アンカースクリューを用いることもあります。クリアリテーナーの扱い方はクリアリテーナー 取り扱い説明書をご参照ください。

装着時間と”協力”の重要性

カリエールモーションの効果は、ゴムを長時間つけることで引き出されます。つまり、ご本人が装着時間を守れるかどうか(協力度)が結果を大きく左右します。装着の目安や期間はかみ合わせの状態によって変わりますので、無理なく続けられるよう、検査のうえで具体的にご説明します。

専門的補足: 後方の大臼歯パッドのボール&ソケット構造は、大臼歯の遠心移動と脱回転(近心回転していた大臼歯を正しい向きに戻す動き)を同時に促す設計です。前歯部の犬歯パッドにフックを設け、強めのⅡ級ゴム(6・8オンス)を用いる点も特徴です。

4. 治療の流れ(2段階)を時系列で

第1段階:カリエールモーション(Ⅱ級 → Ⅰ級へ)

まずカリエールモーションと顎間ゴムで、奥歯のかみ合わせをⅠ級方向へ整えます。ここでⅡ級の”土台のズレ”を小さくしておくのが狙いです。この段階は、協力が良好であれば比較的短い期間で進むことが多い時期です。

第2段階:ワイヤー矯正またはマウスピース型矯正装置で仕上げ

土台が整ったら、ワイヤー矯正で使用される装置と治療の流れで解説しているような固定式装置、またはマウスピース型矯正装置で、一本一本の歯ならびを細かく整えていきます。当院では目立ちにくい装置や裏側(舌側)矯正、マウスピース型など、ご希望に合わせて複数の選択肢をご用意しています。

第3段階(仕上げ後):保定(リテーナー)

歯を並べ終えたあとは、後戻りを防ぐためにリテーナー(保定装置)を使います。動かした歯は元に戻ろうとする性質があるため、この保定はとても大切です。リテーナーの種類や使い方はリテーナーとは、装着期間や後戻り防止のコツは矯正リテーナーの種類と装着期間で詳しくまとめています。

治療の全体像(まとめ)

ここまでの流れを整理すると、次のようになります。

  1. 精密検査・診断:レントゲン(セファログラム)や口腔内スキャンで、出っ歯のタイプ(歯性/骨格性)や成長段階を評価。
  2. 第1段階:カリエールモーション:顎間ゴムで奥歯のかみ合わせをⅠ級方向へ整える。
  3. 第2段階:ワイヤー矯正/マウスピース型矯正装置:一本一本の歯ならびを仕上げる。
  4. 保定(リテーナー):整えたかみ合わせと歯ならびを安定させ、後戻りを防ぐ。

それぞれの期間や装置の組み合わせは、患者さんごとの状態とご希望に合わせて計画します。「自分(お子さん)の場合はどうなるのか」は、検査のうえで具体的にご説明します。

5. 研究(エビデンス)でわかっていること──誇張せず、正確に

カリエールモーションに続いて固定式装置で仕上げた青年期のⅡ級患者を調べた研究(The Angle Orthodontist, 2019)を、事実に沿ってご紹介します。効果を大きく見せるためではなく、「何がどこまでわかっているか」を正確に共有するためのセクションです。

カリエールモーションによるⅡ級矯正の治療効果データ(The Angle Orthodontist 2019)
研究で報告されたⅡ級治療の変化(The Angle Orthodontist, 2019)

何が改善したか(かみ合わせ・出っ歯・深さ)

この研究では、治療の前後(治療前→治療後)で、奥歯のかみ合わせ(臼歯関係)・出っ歯の程度(オーバージェット)・かみ合わせの深さ(オーバーバイト)が改善したと報告されています。特に奥歯のかみ合わせは、第1段階(カリエールモーション)の時期に大きく整い、その後の仕上げの段階で少し戻る(過矯正分が落ち着く)ものの、全体としてはⅠ級方向へ改善した、とされています。治療全体の期間は比較的短く、Ⅱ級の改善の多くは治療の初期に得られた、と述べられています。

とても大切な事実:「あごの骨が伸びるわけではない(変化は主に”歯”)」

ここは誤解されやすいポイントなので、正直にお伝えします。同じ研究では、下あごの骨の長さは、治療していないグループと比べて特別に伸びてはいなかったことも示されています。つまり、Ⅱ級の改善は主に「歯とかみ合わせ(歯槽性)の変化」で得られており、あごの骨そのものを大きく成長させる治療ではありません。矯正装置は魔法ではなく、あくまで歯とかみ合わせを整えるものである、という前提を共有しておくことが大切です。

縦方向(下顔面高)の変化と、適応の見極め

この研究では、顔の下1/3の高さ(下顔面高)が、治療していないグループより大きく増える傾向も報告されています。原著ではこれを「下あごの平面の角度がやや開いた(下方への回転)ことに伴う」と説明しています。もともと面長・開咬(前歯がかみ合いにくい)傾向のある方では、この縦方向の変化に注意して計画する必要があると考えられます。あごの成長のタイミングについては小児期における上顎骨と下顎骨の成長タイミングの差もご参照ください。

作用機序:改善は「下あごを伸ばす」ではなく「上あごを抑える」が主体

もう一歩踏み込むと、この研究では上下のあごの前後的なズレ(ANB や Wits と呼ばれる指標)の改善が、下あごを前方へ大きく成長させることではなく、上あごの前方成長を抑える方向で得られていたことが示されています。これは、Ⅱ級ゴムと固定式装置を組み合わせた従来の治療や、機能的装置で報告されてきた傾向とも共通します。一方で、下顔面高(顔の下1/3の高さ)の増え方は、Ⅱ級ゴム+固定式で報告される値より小さく、Herbst 装置や Forsus 装置といった他のⅡ級装置と同程度であった、とも述べられています。つまりカリエールモーションだけが特別に縦を大きく変える、というわけではないということです。

専門家向けの補足(研究の位置づけ): この研究は後ろ向き研究で、対照群には過去の成長研究のデータ(歴史的対照)が用いられています。したがって撮影条件や年代の違いなどの限界があり、結果の解釈には一定の慎重さが必要です。数値はいずれも各期(第Ⅰ期=カリエール/第Ⅱ期=固定式)の変化量として報告され、臼歯関係は第Ⅰ期に大きく改善して第Ⅱ期にやや戻る、機能的咬合平面は第Ⅰ期の回転が第Ⅱ期にほぼ戻る、といった「2相のダイナミクス」を示します。また「下あご全体が時計回りに回転した」「臼歯が挺出した」といった個々の機序の直接的な記載は原著にはなく、記載があるのは機能的咬合平面の一時的な回転と下顎平面角の開大、そしてオトガイ(下あご先端)は前進しなかった(後退ではない)という事実です。効果・期間には個人差があり、すべての方に同じ結果を保証するものではありません。

※本セクションは上記の学術研究にもとづく一般的な情報の紹介です。特定の治療効果を保証するものではありません。適応やお口の状態は一人ひとり異なるため、実際の診断・治療方針は精密検査のうえで決定します。

6. カリエールモーションのメリット・注意点(他のⅡ級装置との比較)

メリット

  • 治療の初期に、協力の得やすい時期を活かしてⅡ級のズレを整えやすい。
  • 装置がお口の横に付くため、前歯部が比較的すっきりしている時期がある。
  • ワイヤー矯正・マウスピース型矯正装置のいずれの仕上げにもつなげやすい。

注意点・向き不向き

  • ゴムの装着時間を守れること(協力)が結果を大きく左右する。
  • 縦方向(下顔面高)の変化が生じうるため、開咬・面長傾向の方は慎重な計画が必要。
  • あごの骨格そのものを大きく変える治療ではない(変化は主に歯槽性)。
  • すべての出っ歯に最適とは限らず、適応の見極めが前提。

適応を見極める主な要素

どのアプローチが向いているかは、次のような要素を総合して判断します。単一の装置が「万能」ということはなく、複数の視点を組み合わせて計画を立てます。

  • 出っ歯のタイプ:歯の傾きが主か(歯性)、あごの位置が主か(骨格性)、その混合か。
  • 成長段階:あごの成長が期待できる時期か、成長を使えない時期か。上あご・下あごの成長タイミングの差も判断材料になります。
  • 縦方向のかみ合わせ:面長・開咬傾向の有無(垂直的コントロールの必要性)。
  • 協力度の見込み:ゴムや取り外し式装置を計画どおり使えるか。
  • ご本人・ご家族のご希望:見た目・通院頻度・費用などの優先順位。

主なⅡ級改善アプローチの比較(一般的な整理)

アプローチ 主な作用のイメージ 協力の要否 向いている場面(一般論)
カリエールモーション 初期に奥歯の前後関係を整える(顎間ゴム) 高い 2段階治療の入口としてⅡ級のズレを先に整えたい場合
ヘッドギア 上あごの前方成長を抑える 高い 成長期で上顎の前方成長を抑えたい場合
機能的装置 下あごを前方へ誘導 高い 成長期に下あごの位置を促したい場合
ワイヤー+Ⅱ級ゴム 歯の移動でかみ合わせを調整 中〜高 永久歯列で歯性の要素が主な場合

※上表は一般的な整理であり、優劣を示すものではありません。実際の適応は個々の診断によります。

7. 費用・期間・保険の考え方

矯正治療は多くが自由診療(保険外)で、費用や支払い方法は医院によって異なります。当院では、検査・診断・ご相談で決まった治療方法に応じて治療費をお伝えし、開始前にご説明します。費用の全体像は矯正の費用はいくら?(ワイヤー・マウスピースの料金とデンタルローン)堺市の矯正費用・料金一覧で確認できます。顎変形症など一定の条件では保険が適用される場合があり、詳しくは矯正治療と保険適用で解説しています。

8. 開始タイミングと年齢の目安(子ども・大人)

「いつ始めるべき?」も多いご質問です。お子さんの矯正は、乳歯から永久歯へ生え替わる時期が一つの目安になりますが、かみ合わせの種類によって適切な開始時期は異なります。詳しくは子供の矯正の開始タイミングをご覧ください。大人になってからでもⅡ級・出っ歯の矯正は可能で、成長を使えない分どう治すかが変わります。子どもと大人の考え方の違いは小児矯正と成人矯正の違いにまとめています。

9. 治療中の生活で気をつけること

食事のポイント

カリエールモーションの装置はお口の横に付くため、装着当初は食べにくさを感じることがあります。粘着性の強いもの(キャラメル等)や極端に硬いものは装置に負担がかかりやすいため、少し注意が必要です。マウスピース型の固定源を併用する場合は、食事の際に外す・つけるの管理も大切になります。

歯みがき・お口の清掃

装置が付くと汚れがたまりやすくなります。むし歯や歯ぐきのトラブルを防ぐため、装置まわりをていねいに磨くことが大切です。磨き方は装置の種類によって変わりますので、通院時にお伝えします。仕上げの段階でワイヤー装置を使う場合の清掃の考え方はワイヤー矯正で使用される装置と治療の流れも参考になります。

ゴムの管理と痛みへの対応

顎間ゴムは決められた時間しっかり使うことが結果に直結します。つけ忘れが続くと治療が計画どおり進みにくくなるため、習慣づけがポイントです。装置やゴムを新しくした直後は数日痛みや違和感が出ることがありますが、多くは徐々に和らぎます。強い痛みや装置の破損・脱離があるときは、我慢せず医院にご連絡ください。ゴムの基本は顎間ゴムとはでも解説しています。

通院間隔

通院間隔は治療の段階や装置によって異なりますが、装置の調整やゴムの確認のために定期的なご来院が必要です。学校やお仕事の都合に合わせて通いやすいよう、当院では土日診療や平日夜の診療も行っています。

10. 当院がⅡ級・出っ歯治療で大切にしていること

最後に、しま歯ならび矯正歯科がⅡ級・出っ歯の治療で大切にしている点をご紹介します(いずれも当院で実際に行っている診療体制です)。

  • 日本矯正歯科学会 認定医による診断・治療。院長は同学会の認定医で、エビデンスにもとづく治療を心がけています。
  • 光学3Dスキャナーによる負担の少ない検査。粘土のような材料での型取りが苦手な方でもストレスが少なく、放射線も使いません。デジタルデータで現状からゴールまでのイメージも共有しやすくなります。
  • 丁寧なカウンセリング。お悩みを一つひとつお聞きし、複数ある治療方法の中から、患者さんに合った選択肢とその特徴を分かりやすくご説明します。
  • できるだけ歯を抜かない工夫。歯とあごの大きさのバランスを見ながら、可能な範囲で抜かずに整える方法を検討します(必ず抜かずに済むとは限りません)。
  • 矯正専門としての選択肢の広さ。ワイヤー・裏側(舌側)・マウスピース型など、ご希望に合わせてご提案します。子どもと大人の考え方の違いは小児矯正と成人矯正の違いをご覧ください。

11. よくある質問(Q&A)

Q. カリエールモーションだけで出っ歯は治りますか?

A. カリエールモーションは主に「奥歯の前後のズレ(Ⅱ級)」を整える装置で、歯ならび全体の仕上げには続けてワイヤー矯正やマウスピース型矯正装置を行うのが一般的です。全体を通した2段階治療とお考えください。

Q. 痛みや目立ちはどうですか?

A. 感じ方には個人差があります。装置はお口の横に付くタイプで、装着当初は違和感が出ることがありますが、多くは徐々に慣れていきます。目立ちにくさを重視される場合は、仕上げの段階で目立ちにくい装置やマウスピース型を選ぶこともできます。

Q. ゴムはどれくらいつければいいですか?

A. かみ合わせの状態により異なりますが、効果を得るには長時間の装着(ご本人の協力)が重要です。具体的な時間は検査後にご説明します。顎間ゴムの一般的な知識は顎間ゴムとはもご参照ください。

Q. 後戻りしませんか?

A. 動かした歯は元に戻ろうとする性質があるため、仕上げ後はリテーナーでの保定が大切です。詳しくはリテーナーとはをご覧ください。

Q. うちの子は出っ歯ですが、いつ相談すればいい?

A. 気になった時が相談のタイミングです。すぐ治療を始めるとは限らず、「今は経過をみる」という判断になることもあります。開始時期の目安は子供の矯正の開始タイミングをご参照ください。

Q. 大人でもカリエールモーションで出っ歯を治せますか?

A. 成長を使えない大人の場合でも、Ⅱ級・出っ歯の矯正は可能です。ただし、あごの成長を利用できない分、歯の移動や必要に応じた補助(歯科矯正用アンカースクリューなど)で整える計画になります。適応は精密検査で判断します。子どもと大人の違いは小児矯正と成人矯正の違いをご覧ください。

Q. マウスピース型矯正装置だけでⅡ級は治せますか?

A. マウスピース型矯正装置でもⅡ級への対応は行われますが、かみ合わせのズレの大きさや骨格の要素によって向き・不向きがあります。カリエールモーションで先にズレを整えてから仕上げにマウスピース型を使う、といった組み合わせも選択肢のひとつです。どの方法が合うかは診断のうえでご提案します。

Q. 抜歯は必要になりますか?

A. 歯を抜くかどうかは、歯とあごの大きさのバランスによります。口元の突出が強い場合などは抜歯した方が良い結果になることもあれば、抜かずに整えられることもあります。当院はできるだけ抜かない方法を検討しますが、必ず抜かずに済むとは限りません。カウンセリングでご相談ください。

Q. 治療期間はどのくらいですか?費用は?

A. 期間はかみ合わせの状態・年齢・協力度により大きく変わるため、検査後に具体的にお伝えします。費用の考え方は矯正の費用はいくら?料金一覧をご参照ください。

12. 堺市・鳳で出っ歯・上顎前突(Ⅱ級)の相談なら

ここまでご覧いただきありがとうございます。カリエールモーションはⅡ級・出っ歯の改善に用いられる有力な選択肢のひとつですが、すべての方に最適というわけではありません。上あご・下あごのバランス、歯の傾き、成長段階、縦方向のかみ合わせ(お顔の高さ)まで含めて総合的に見極めることが、良い結果への近道です。当院は堺市・鳳(おおとり)駅すぐの矯正専門として、精密検査でお口の状態をていねいに確認し、いくつかの選択肢とそれぞれの特徴を分かりやすくご説明します。「治療した方がいい?」という段階のご相談も歓迎です。

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参考文献

Kim-Berman H, McNamara JA Jr, Lints JP, McMullen C, Franchi L. Treatment effects of the Carrière Motion 3D appliance for the correction of Class II malocclusion in adolescents. The Angle Orthodontist. 2019;89(6):839–846.

この記事の監修者

しま歯ならび矯正歯科 院長 島和弘
しま歯ならび矯正歯科
院長 島 和弘

経歴

  • 2011年3月奥羽大学歯学部卒業
  • 2018年4月東北大学病院矯正歯科 医員
  • 2018年8月日本骨代謝学会の1st Authorを受賞
  • 2018年11月日本矯正歯科学会 認定医取得
  • 2022年6月しま歯ならび矯正歯科 開院

資格・所属学会

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