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「様子を見ましょう」と言われた子どもの歯並び、本当に待って大丈夫?|堺市・鳳の矯正専門医が解説

  • 公開日:2026年10月23日
  • 更新日:2026年10月23日
  • 小児歯科
「様子を見ましょう」と言われた子どもの歯並び|堺市・鳳 しま歯ならび矯正歯科
「様子を見ましょう」と言われた子どもの歯並び、本当に待って大丈夫?

はじめに:「様子を見ましょう」の一言、気になりませんか?

学校の歯科健診やかかりつけの歯科で、お子さんの歯並びについて「今は様子を見ましょう」と言われたことはありませんか。この一言に安心した方もいれば、「本当に何もしなくていいのだろうか」「手遅れにならないだろうか」と、かえって不安が大きくなった方もいらっしゃると思います。

「様子見」は、歯科医師にとっては「今すぐ治療を始める必要はないが、成長に合わせて変化を追う」という意味の言葉です。しかし、誰が、いつ、何を見るのかが伝わらないままだと、保護者の方には「何もしなくていい」と受け取られてしまうことがあります。結論から言うと、子どもの歯並びには「待っていれば自然に整っていくことが多いもの」と「早めに矯正歯科で詳しく調べたほうがよいもの」の両方があります。そして、どちらに当てはまるかは、口の中を見ただけでは分からないこともあります。

この記事では、堺市西区・鳳駅前の矯正歯科専門医院であるしま歯ならび矯正歯科が、次の3つを順番に解説します。

  1. なぜ「様子見」と言われるのか(子どもの歯とあごが成長する仕組み)
  2. 待ってよい歯並びと、早めに相談したい歯並びの違い
  3. 「正しい様子見」のために、保護者の方ができること

内容はできるかぎり、海外の信頼性の高い研究のまとめ(コクラン・レビュー)や、日本の学会・公的機関の資料をもとに書いています。参考にした文献は記事の最後にまとめています。

なお、「そもそも子どもの矯正はいつ始めるもの?」という疑問については、以前の記事「いつになる?子供の矯正の開始タイミング」でも解説しています。今回はそこから一歩踏み込み、「様子見と言われたあと、どう判断すればよいか」に絞ってお伝えします。

なぜ「様子見」と言われるのか:子どもの歯並びは成長とともに変わる

子どもの歯並びが「様子見」になりやすいのは、大人と違って歯とあごが成長の途中にあるからです。今日見えている歯並びが、数年後もそのままとはかぎりません。

乳歯から永久歯へ:生え変わりの流れ

子どもの歯は、おおむね次の順番で変わっていきます(時期には個人差があります)。

  1. 乳歯だけの時期(3歳ごろ〜6歳ごろ):上下20本の乳歯がそろいます。
  2. 乳歯と永久歯が混ざる時期(6歳ごろ〜12歳ごろ):奥に最初の大人の奥歯(第一大臼歯)が生え、前歯から順に生え変わります。
  3. 永久歯がそろう時期(12歳ごろ以降):乳歯がすべて抜け、大人の歯並びになります。

このうち「乳歯と永久歯が混ざる時期」は、歯の大きさも位置もどんどん変わるため、一時的に歯並びが乱れて見えることがよくあります。乳歯と永久歯の違いについては「乳歯と永久歯の違い」でも詳しく紹介しています。

「チェック」と「治療開始」は別のもの

アメリカ矯正歯科医学会(AAO)は、子どもが最初に矯正歯科のチェックを受ける時期を「7歳まで」とするよう推奨しています。この年齢には乳歯と永久歯が混ざっており、歯やあごの問題を早い段階で見つけやすいためです。

ただし、AAOは同時に「チェックを受けることと、治療を始めることは違う」「7歳ごろに治療が必要な問題は一部だけ」とも説明しています。また、チェックの結果として、問題がない場合もあれば、問題はあっても成長を見守りながら適切な時期に治療を始める場合もある、としています。

つまり、矯正歯科の専門的な立場から見ても、「様子見」はそれ自体が間違いではありません。大切なのは、その様子見が、きちんとした診察にもとづいた判断かどうかです。

小児矯正の「1期治療」と「2期治療」

子どもの矯正治療は、大きく2つの段階に分けて考えられます。

段階 時期の目安 主な目的
1期治療 乳歯と永久歯が混ざる時期 あごの成長のバランスを整える、将来の問題を小さくする
2期治療 永久歯がそろった後 一本一本の歯を並べ、かみ合わせを仕上げる

すべてのお子さんに1期治療が必要なわけではありません。歯並びの種類によっては、永久歯がそろうまで待ってから一度で治療したほうが、通院の負担が少ない場合もあります。子どもと大人の矯正の違いは「小児矯正と成人矯正の違い」もあわせてご覧ください。

では、具体的にどんな歯並びなら待ってよく、どんな歯並びなら早めに相談したほうがよいのでしょうか。次の章から順に見ていきます。

待っているうちに整うことが多い歯並び

まずは、成長の過程でよく見られ、多くの場合は自然に変化していく歯並びを紹介します。ここで大事なのは「多くの場合は」という点です。見た目が似ていても、原因が別にある場合があるため、当てはまるかどうかは診察で確かめる必要があります。

乳歯のすきっ歯(発育空隙・霊長空隙)

「乳歯の前歯がすきっ歯で心配」という相談はよくあります。しかし、乳歯の歯並びにすきまがあるのは正常な状態です。

Baumeは1950年に発表した研究で、乳歯の歯並びには「すきまのあるタイプ」と「すきまのないタイプ」があり、すきまのあるタイプがおよそ3分の2を占めることを報告しました。このすきまは、乳歯より大きい永久歯が生えるための「余裕」として働きます。むしろ乳歯の時期にすきまがない、あるいはすでにでこぼこしている場合は、永久歯ででこぼこ(叢生)が起きやすいとされています。

つまり、乳歯のすきっ歯は気にしなくてよい代表例です。反対に、乳歯なのにすきまが全くないお子さんは、生え変わりの時期に一度確認しておくと安心です。

前歯が生え変わった直後の軽いでこぼこ

下の前歯が生え変わるとき、大人の歯が乳歯の内側(舌側)から生えてきて、一時的に2列に並んだり、少し重なったりすることがあります。永久歯の前歯は乳歯より幅が広いため、生えたばかりのころは並ぶ場所が足りないように見えるのです。

この時期には、あごの歯並びの幅が少し広がることもBaumeの研究で報告されており、重なりが軽ければ、その後の成長ででこぼこが小さくなることがあります。ただし、重なりが大きい場合は自然には解消しにくいため、「どの程度なら待てるか」は歯の大きさとあごの幅を測って判断します。当院ではこうした判断に歯の模型(またはスキャンデータ)を使います。詳しくは「歯の模型(歯型)は何に使う?」をご覧ください。

上の前歯のすきま(みにくいアヒルの子の時期)

上の大人の前歯が生えてしばらくは、真ん中にすきまがあいたり、前歯が扇形に外へ開いて見えたりすることがあります。これはBroadbentが1937年に「みにくいアヒルの子の時期(ugly duckling stage)」と名付けた状態で、あごの中で後から生えてくる犬歯が前歯の根元を押しているために起こります。多くの場合、犬歯が生えるにつれてすきまは小さくなっていきます。

ただし、前歯の真ん中のすきま(正中離開)は、あごの骨の中に余分な歯(過剰歯)が埋まっている、生まれつき歯の数が少ない、といった原因で起きていることもあります。こうした原因は口の中を見ただけでは分からず、レントゲンで確認してはじめて分かります。詳しくは「正中離開って?」と「過剰歯(かじょうし)とは?」で解説しています。

この章のまとめ

歯並びの様子 よくある理由 確認しておきたいこと
乳歯のすきっ歯 永久歯が生えるための余裕 すきまが全くない場合は生え変わりで確認
前歯が生えたばかりの軽いでこぼこ 永久歯が乳歯より大きい 重なりの大きさ。大きければ自然には治りにくい
上の前歯の真ん中のすきま 犬歯が生える前の一時的な状態 過剰歯など別の原因がないか(レントゲン)

どの場合も「待ってよいことが多い」であって、「必ず治る」ではない点に注意してください。

様子見だけでなく、早めに矯正歯科で調べたい歯並び

一方で、成長を待っても自然には治りにくく、早い段階で専門的に調べたほうがよい歯並びもあります。代表的なものを5つ紹介します。ここでいう「早めに」は「すぐに治療を始める」という意味ではなく、「早めに診断を受けて、治療の要否と時期を決める」という意味です。

① 反対咬合(受け口)

下の前歯が上の前歯より前に出ているかみ合わせを「反対咬合」、一般に「受け口」といいます。受け口には、歯の向きだけが原因のものと、上のあごが小さい・下のあごが大きいといったあごの骨の大きさが関わるものがあります。

子どもの受け口については、上のあごを前方へ引っ張る装置(上顎前方牽引装置、フェイスマスク)を使った早期治療が研究されています。コクラン・レビュー(世界中の研究を集めて評価した信頼性の高いまとめ)の2024年版では、5〜13歳の子ども計1,169人を含む29の研究が分析されました。その結果、フェイスマスクは治療しない場合に比べて短期的にはかみ合わせを改善し、将来のあごの手術が必要になりにくいと矯正歯科医が判断した割合が高かったとされています。一方で、研究の規模が小さく、長期的な効果についてはまだ確かなことは言えないとも結論づけられています。

このように、受け口は「成長を利用できる時期でないと使えない治療」があるため、永久歯がそろうまで何も判断せずに待つのではなく、早めに一度診断を受けることをおすすめします。詳しくは「受け口はなぜなるの」と「上顎前方牽引装置ってなに?」をご覧ください。

② 奥歯の交叉咬合(かみ合わせの横ずれ)

奥歯でかんだとき、本来は外側にあるはずの上の奥歯が、下の奥歯より内側に入っている状態を「臼歯部の交叉咬合(クロスバイト)」といいます。かむときに下あごが左右どちらかにずれることもあります。

コクラン・レビュー(2014年版)では、奥歯の交叉咬合の50〜90%は永久歯に生え変わってもそのまま残ると紹介されています。また2021年版では、乳歯と永久歯が混ざる時期の早い段階(7〜11歳)の子どもでは、上の歯並びを広げる装置(クワドヘリックスや拡大床)を使うほうが、治療しない場合より交叉咬合の改善に有効だったと結論づけています。

「自然に治ることが少ない」「早い時期の治療に効果が示されている」という点で、様子見だけで済ませないほうがよい歯並びです。歯並びを広げる装置については「急速拡大装置と拡大床について」、奥歯のかみ合わせのずれについては「シザースバイトの徹底解説!」も参考になります。

③ 上の前歯が大きく前に出ている(出っ歯)

上の前歯が大きく前に出ている出っ歯は、見た目だけでなく、転んだときなどに前歯をけがしやすいことが知られています。

コクラン・レビュー(2018年版)では、16歳未満の出っ歯の子どもを対象とした研究が分析されました。その結果、子どものうちに治療を始める2段階の治療は、思春期に1回だけ治療する場合に比べて、前歯の新たなけがを減らすことが示されています(証拠の確かさは「低い〜中程度」と評価)。また、英国では12歳の子どもの約4分の1に出っ歯が見られると紹介されています。

出っ歯の程度が大きい場合や、スポーツをしていてけがが心配な場合は、早めに相談する意味があります。出っ歯の治療の流れは「出っ歯・上顎前突(Ⅱ級)の矯正を徹底解説」で解説しています。

④ 歯の生え変わりがおかしい(生えてこない・左右差が大きい)

「反対側は生え変わったのに、片方だけいつまでも生えてこない」「乳歯がなかなか抜けない」「乳歯が早くに抜けた」といった場合も、早めの確認が勧められます。AAOも、乳歯が抜ける時期が早すぎる・遅すぎることを、矯正歯科に相談すべきサインのひとつに挙げています。

原因としては、過剰歯や、永久歯が骨の中で向きを変えて埋まっている「埋伏歯(まいふくし)」、生まれつき永久歯がない「先天性欠如」、となり合う歯がくっついた「癒合歯(ゆごうし)」などがあります。いずれも口の中を見ただけでは分からず、レントゲンで確認します。当院ブログの「癒合歯(ゆごうし)とは?」や「レントゲン撮影って何するの」もあわせてご覧ください。

なお、歯の生え変わりの異常の一部は、矯正治療に健康保険が使える場合があります。現在の歯科の診療報酬のルールでは、「3歯以上の永久歯が生えてこないことによるかみ合わせの異常(埋まった歯を出す手術が必要なものに限る)」や「18歳未満で、連続した3歯以上の先天性欠如によるかみ合わせの異常」などが、国の定めた基準を満たす医療機関での保険診療の対象になっています。対象になるかどうかは診断してはじめて分かるため、この点でも早めの確認には意味があります。保険については「矯正治療と保険適用」で詳しく解説しています。

⑤ 指しゃぶり・口呼吸などの癖が続いている

指しゃぶり、舌を前歯に押し付ける癖、いつも口が開いている口呼吸などは、前歯がかみ合わない「開咬(かいこう)」や出っ歯の原因になることがあります。癖が続いている間は、歯並びは自然には整いにくく、矯正治療をしても元に戻りやすくなります。

指しゃぶりについては、日本の小児科と小児歯科の専門家がまとめた「指しゃぶりについての考え方」(小児科と小児歯科の保健検討委員会)があります。そこでは、幼児期後半(3歳〜就学前)になっても頻繁な指しゃぶりが続く場合には、小児科医・小児歯科医・臨床心理士による積極的な対応が必要とされています。癖については「指しゃぶりが歯ならびに与える影響」、「口呼吸はなぜダメなのか」、「開咬(かいこう)ってなに?」でも解説しています。

「早ければ早いほどよい」わけでもない:研究から分かっていること

ここまで読むと、「やはり早く治療を始めたほうがよいのでは」と感じるかもしれません。しかし、研究結果を見ると、早期治療の効果は歯並びの種類によって大きく違います。

出っ歯の早期治療:けがの予防以外の利点は限られる

先ほどのコクラン・レビュー(2018年版)では、出っ歯の早期治療には前歯のけがを減らす効果が示された一方で、それ以外の点では、思春期に1回で治療する場合と比べてはっきりした利点は見られなかったとされています。つまり、「早く始めれば最終的に必ずきれいになる」ということではありません。

2段階の治療は、その分だけ通院期間が長くなり、お子さんやご家族の負担も増えます。そのため、出っ歯の程度、けがの危険性(スポーツなど)、他に問題がないかを合わせて、早く始めるかどうかを一人ひとり判断します。

受け口・交叉咬合:早い時期の治療に効果が示されている

一方、受け口に対するフェイスマスクや、奥歯の交叉咬合に対する歯並びを広げる装置については、乳歯と永久歯が混ざる時期の治療に一定の効果が示されています。ただし受け口については、長期的な効果はまだ確かではなく、成長の仕方によっては大人になってからもう一度治療が必要になることもあります。

まとめ:答えは「歯並びの種類と、その子の成長次第」

歯並び 早期治療について研究で分かっていること
出っ歯 前歯のけがを減らす。それ以外の利点ははっきりしない
受け口 フェイスマスクで短期的に改善。長期的な効果はまだ不確か
奥歯の交叉咬合 自然には残りやすく、7〜11歳での拡大装置に効果

AAOも「7歳での本格的な治療を勧めているわけではない」と明言しています。大切なのは、早すぎる治療も、遅すぎる判断も避けることです。そのために必要なのが、次に紹介する「正しい様子見」です。矯正治療で専門家の意見が分かれる点については「矯正治療で意見が分かれるポイント」もご参考ください。

「正しい様子見」のために保護者の方ができること

様子見は「何もしないこと」ではありません。成長に合わせて変化を記録し、必要な時期を逃さないための「経過観察」です。保護者の方にできることを、4つに分けて紹介します。

1. 「様子見」と言われたら、3つのことを確認する

様子見と言われたら、その場で次の3つを聞いておくと、その後の判断がしやすくなります。

  1. 何を見ているのか(例:前歯のでこぼこ、受け口、生えてこない歯)
  2. 次にいつ確認するのか(例:次の歯が生えるころ、半年後など)
  3. どうなったら治療を考えるのか(例:重なりが大きくなったら、反対側より半年以上遅れたら)

この3つがはっきりしていれば、それは計画のある様子見です。反対に、どれも分からないままなら、一度矯正歯科で詳しく調べてもらうことをおすすめします。

2. 家庭で写真を残しておく

毎日見ていると、少しずつの変化には気づきにくいものです。歯をかみ合わせた正面の写真を、たとえば誕生日や学期のはじめなど決まった時期に撮っておくと、変化が比べやすくなります。受診の際にその写真を見せていただくと、歯科医師にとっても大切な参考になります。

3. こんな様子があれば、様子見の途中でも相談を

AAOは、次のような様子があれば矯正歯科に相談するよう呼びかけています。

  • 乳歯が抜けるのが早すぎる、または遅すぎる
  • 食べ物をかんだり、かみ切ったりしにくそう
  • 口で息をしている(口呼吸)
  • あごがずれる、音が鳴る
  • 発音が聞き取りにくい
  • ほほの内側や上あごをかんでしまう
  • 顔の左右のバランスが気になる
  • 歯ぎしりや食いしばりがある
  • 指しゃぶりなどの癖が続いている

癖については、舌や口のまわりの筋肉の使い方を整えるトレーニング(MFT:口腔筋機能療法)が行われることがあります。詳しくは「MFT(口腔筋機能療法)とは?」、「舌癖(ぜつへき)とは?」、「口腔習癖(こうくうしゅうへき)とは?」をご覧ください。

4. 学校の歯科健診の結果をそのままにしない

学校の歯科健診で「歯列・咬合」について受診を勧められた場合は、一度歯科医院で詳しく調べてもらいましょう。

2024年(令和6年)の診療報酬改定では、学校歯科健診の結果で受診が必要とされた子どもについて、「歯科矯正相談料」が新しく設けられました。日本矯正歯科学会と日本小児歯科学会は、これによって、健診で精密検査が必要とされても保険では初回の相談も受けられなかった状況が改められ、保険診療で相談や診断が受けられるようになったと説明しています。健診のお知らせを受け取ったら、受診先に問い合わせてみてください。

迷ったときは矯正歯科で「様子見でよいか」を確かめる

「様子見と言われたけれど、やはり気になる」というときは、矯正歯科で一度詳しく調べてもらうのもひとつの方法です。相談の結果、「やはり様子見で大丈夫」と分かれば、それだけでも大きな安心につながります。AAOも、早めのチェックの利点として、治療が必要な問題の発見だけでなく、保護者の安心を挙げています。

矯正歯科で確かめられること

子どもの歯並びを判断するには、今の歯並びだけでなく、次のような情報を合わせて見る必要があります。

  • まだ生えていない永久歯の数や位置(レントゲン)
  • 歯の大きさと、あごの幅のバランス(歯の模型やスキャン)
  • 上下のあごの大きさや位置の関係(頭部のレントゲンによるセファロ分析)
  • 舌や唇の癖、呼吸の仕方

これらをもとに、「今すぐ治療したほうがよいのか」「様子見でよいのか」「様子見なら、いつ何を確認するのか」を判断します。頭部のレントゲンを使った分析については「セファロ分析とは」、咬み合わせの将来を予測する考え方については「ターミナルプレーンとは?」で解説しています。

しま歯ならび矯正歯科の初診相談

しま歯ならび矯正歯科は、JR阪和線・鳳駅の東口から徒歩1分にある矯正歯科専門の医院です。小さなお子さんから大人の方まで、幅広い年代の歯並びの相談をお受けしています。お子さんの矯正については子どもの矯正のページもご覧ください。

初診相談の大まかな流れは次のとおりです。

  1. 事前の問診:ご予約後、LINEで問診票をお送りします。気になっていることや、「様子見」と言われた経緯をご記入いただくと、当日のお話がスムーズになります。
  2. 口の中の記録:診療室で、口の中の写真撮影またはスキャンを行います。
  3. カウンセリングルームでの説明:記録を一緒に見ながら、今の歯並びの状態と、様子見でよいかどうかの考え方をご説明します。

より詳しい判断にレントゲンなどの検査が必要な場合は、精密検査で行います。初診相談は「治療を始める日」ではなく、「今の状態を知る日」です。相談を受けたからといって、必ず治療を始める必要はありません。

医院選びに迷っている方は「矯正歯科医院を選ぶポイント」、費用が気になる方は「矯正の費用はいくら?」もあわせてご覧ください。

よくある質問(Q&A)

Q1. 様子見と言われたのに、別の医院で相談してもよいのですか?

はい、問題ありません。矯正治療は期間が長く、費用もかかる治療です。別の歯科医師の意見(セカンドオピニオン)を聞くことは、納得して判断するための自然な方法です。その際は、「いつ、どこで、何について様子見と言われたか」を伝えていただくと、判断の助けになります。以前に撮ったレントゲンや、ご家庭で撮った歯並びの写真があれば、あわせてお持ちください。

Q2. 何歳になったら矯正歯科に相談すればよいですか?

AAOは、最初のチェックを「7歳まで」に受けるよう推奨しています。ただし同時に、「7歳より前でも気になることがあれば7歳を待つ必要はない」「8歳以上でも遅すぎることはない」とも説明しています。年齢にこだわるより、「気になったときが相談のタイミング」と考えていただいて構いません。

Q3. 乳歯の歯並びが悪いと、永久歯も悪くなりますか?

「悪い」の中身によります。乳歯のすきっ歯は正常で、むしろ永久歯が並ぶための余裕です。一方、乳歯の時期にすでにでこぼこしている場合は、永久歯でもでこぼこが起きやすいとされています。また、乳歯の受け口や奥歯の交叉咬合は、本文で紹介したように早めに診断を受けたい歯並びです。

Q4. 指しゃぶりは何歳までなら様子を見てよいですか?

小児科と小児歯科の保健検討委員会の「指しゃぶりについての考え方」では、生後12か月ごろまでの指しゃぶりは発達の過程での自然な行為として経過を見てよいとされています。その後、幼稚園や保育園で友達と遊ぶようになると自然に減ることが多い一方、幼児期後半(3歳〜就学前)になっても頻繁に続く場合は、小児科医・小児歯科医・臨床心理士による積極的な対応が必要とされています。無理にやめさせるのではなく、お子さんの気持ちや生活の様子も含めて相談してください。

Q5. 様子見の間に、家庭でできることはありますか?

大切なのは、乳歯を虫歯から守ることです。乳歯には、後から生えてくる永久歯の場所を確保しておく役割があります。虫歯で乳歯が早くに抜けたり、大きく削れたりすると、となりの歯が寄ってきて永久歯の場所が足りなくなることがあります。ご家庭での歯みがきと、かかりつけの歯科での定期的なチェックを続けましょう。あわせて、口がいつも開いていないか、食べるときに片側ばかりでかんでいないか、といった様子にも目を向けてみてください。

Q6. 子どものうちに治療すれば、大きくなってからの治療はいらなくなりますか?

必ずしもそうとはかぎりません。1期治療の目的は、あごの成長のバランスを整えたり、将来の問題を小さくしたりすることです。永久歯がそろったあとに、歯を一本一本並べる2期治療が必要になることもあります。また受け口のように、成長の仕方によっては大人になってから改めて治療を検討する場合もあります。初めに「どこまでを目標にする治療か」を確認しておくことが大切です。矯正後の歯並びの安定については「矯正後の後戻りはなぜ起こる?」で解説しています。

まとめ:「様子見」は、中身を知ってはじめて安心できる

最後に、この記事のポイントを振り返ります。

  • 子どもの歯並びは成長とともに変わるため、「様子見」はそれ自体が間違いではありません。
  • 乳歯のすきっ歯、前歯が生えたばかりの軽いでこぼこ、上の前歯の一時的なすきまなどは、待っているうちに整うことが多い歯並びです。
  • 受け口、奥歯の交叉咬合、大きな出っ歯、歯の生え変わりの異常、続いている癖などは、早めに矯正歯科で診断を受けることをおすすめします。
  • ただし、早期治療の効果は歯並びの種類によって異なり、「早ければ早いほどよい」わけではありません。
  • 様子見と言われたら、「何を見ているのか」「次にいつ確認するのか」「どうなったら治療を考えるのか」の3つを確認しましょう。

「様子見」という言葉だけでは、待っている間に何が起きるのかが分からず、不安になるのは当然のことです。中身を知ったうえでの様子見であれば、安心してお子さんの成長を見守ることができます。

堺市・鳳周辺で「様子見と言われたけれど大丈夫かな」と気になっている方は、どうぞお気軽にしま歯ならび矯正歯科の初診相談をご利用ください。今の歯並びの状態と、これからの見守り方を、一緒に整理しましょう。

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参考文献

  1. American Association of Orthodontists. Orthodontics for Children: Developing a Healthy Smile/FAQ: Child Orthodontics/Problems to Watch for in Growing Children(PDF)
  2. Batista KBSL, Thiruvenkatachari B, Harrison JE, O’Brien KD. Orthodontic treatment for prominent upper front teeth (Class II malocclusion) in children and adolescents. Cochrane Database of Systematic Reviews 2018, Issue 3. CD003452.
  3. Owens D, Watkinson S, Harrison JE, Turner S, Worthington HV. Orthodontic treatment for prominent lower front teeth (Class III malocclusion) in children. Cochrane Database of Systematic Reviews 2024. CD003451.(Cochrane Oral Healthによる概要)
  4. Agostino P, Ugolini A, Signori A, Silvestrini-Biavati A, Harrison JE, Riley P. Orthodontic treatment for posterior crossbites. Cochrane Database of Systematic Reviews 2014, Issue 8. CD000979.
  5. Ugolini A, Agostino P, Silvestrini-Biavati A, Harrison JE, Batista KBSL. Orthodontic treatment for posterior crossbites. Cochrane Database of Systematic Reviews 2021. CD000979.
  6. Baume LJ. Physiological tooth migration and its significance for the development of occlusion. I. The biogenetic course of the deciduous dentition. Journal of Dental Research 1950; 29: 123–132.
  7. Broadbent BH. The face of the normal child. The Angle Orthodontist 1937; 7: 183–208.
  8. 小児科と小児歯科の保健検討委員会. 指しゃぶりについての考え方. 小児保健研究 2006; 65(3): 513–515.
  9. 日本矯正歯科学会・日本小児歯科学会. 歯科矯正相談料の基本的な考え方. 令和7年6月16日.
  10. 歯科診療報酬点数表 第13部 歯科矯正 通則(令和8年度).(点数表の掲載ページ)

(2026年10月22日時点で確認)

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この記事の監修者

しま歯ならび矯正歯科 院長 島和弘
しま歯ならび矯正歯科
院長 島 和弘

経歴

  • 2011年3月奥羽大学歯学部卒業
  • 2018年4月東北大学病院矯正歯科 医員
  • 2018年8月日本骨代謝学会の1st Authorを受賞
  • 2018年11月日本矯正歯科学会 認定医取得
  • 2022年6月しま歯ならび矯正歯科 開院

資格・所属学会

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