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医療コラム

矯正リテーナーの種類と装着期間|後戻り防止のための正しい使い方

矯正治療を終えた後の歯ならびを「動かない状態」で長く保つには、リテーナー(保定装置)の継続的な装着が不可欠です。リテーナーをサボると、せっかく整えた歯ならびが少しずつ元に戻ってしまう「あともどり」が起こります。

本記事では、矯正治療を専門に行う しま歯ならび矯正歯科 の院長が、リテーナーの3つの種類(マウスピース型・ラップアラウンド型・固定式)、装着期間の目安、当院の保定費用、装着しなかった場合のリスク、お手入れ方法までを詳しく解説します。

矯正リテーナーとは|役割と必要性

リテーナー(保定装置)とは

リテーナーとは、矯正治療で動かした歯を、新しい位置に 安定させるための装置 です。歯科治療の専門用語では「保定装置」と呼ばれ、矯正治療における最終段階の重要なツールとなります。

なぜリテーナーが必要なのか

矯正治療で歯を動かす過程では、歯の周囲の骨や歯周組織も変化しています。歯が新しい位置に移動した直後は、骨や歯ぐきがその位置で完全に安定するまでに時間がかかる ため、何もしないと歯は元の位置に戻ろうとします。これを「あともどり」と言います。リテーナーは、このあともどりを防ぐためにあるのです。

▶ 矯正後の後戻りについて詳しく見る

リテーナーをつけないとどうなる?

リテーナーの装着をサボると、以下のような変化が徐々に起こります。

  • 数ヶ月:前歯にわずかなねじれ・隙間が出始める
  • 半年〜1年:噛み合わせが微妙にずれる
  • 1年以降:見た目で分かるレベルのあともどりが進行
  • 数年放置:矯正前に近い状態まで戻ってしまうケースも

一度あともどりが進んでしまうと、再矯正は初回より時間も費用もかかります。せっかく頑張って整えた歯ならびを守るには、リテーナーの継続装着が何より大切です。

矯正リテーナーの3つの種類と特徴

矯正後の保定装置には大きく3種類あります。当院では主に マウスピース型ラップアラウンド型 を使用していますが、それぞれの特徴を知っておきましょう。

① マウスピースタイプ(クリアリテーナー)

クリアリテーナー(マウスピースタイプの矯正リテーナー)
クリアリテーナー(マウスピースタイプの矯正リテーナー)

透明で薄いプラスチック製の装置です。歯全体を覆う形状で、見た目に目立ちにくいのが大きな特徴。マウスピース矯正(インビザライン等)の延長線上で、違和感少なく装着できます。

メリット

  • 透明で目立たない
  • 装着感が比較的軽い
  • 上下の歯をしっかり覆うため保定効果が高い

デメリット

  • 経年で劣化しやすい(変色・破損)
  • 噛みしめ癖がある方では穴が空きやすい
  • 食事の度に外す必要がある

★当院では、劣化への備えとして 上下3セットをまとめてご提供 しています。

② ラップアラウンドタイプ(プレートリテーナー)

プラスチックの板(プレート)と細いワイヤーを組み合わせた、取り外し可能な装置です。ワイヤーが前歯の表面を「ラップ(包み込む)」ように沿わせる形のため、しっかりと前歯の位置を安定させやすいのが特徴です。

メリット

  • マウスピース型より耐久性が高い(5年以上使えるケースも)
  • ワイヤーで微調整が効くため、ピンポイントの保定に強い
  • プラスチック板の部分で噛みしめ癖から歯を守る

デメリット

  • 前歯にワイヤーが見える(ホーレータイプより審美性は劣る)
  • 慣れるまで違和感がある

★当院でもよく採用するタイプで、特に 長期的にしっかり保定したい症例 におすすめしています。

③ 固定式リテーナー(フィックスリテーナー)

前歯の裏側に細いワイヤーを接着剤で固定する装置です。取り外しできないため、装着忘れの心配がありません。

メリット

  • 取り外し不要、装着サボりが起こらない
  • 表からは見えない
  • 24時間保定効果が続く

デメリット

  • 歯磨きが少し複雑(フロススレッダーが必要)
  • ワイヤーが外れた場合、即時に再装着が必要
  • 全顎の保定はできない(主に前歯のみ)

リテーナー3種類の比較表

項目 マウスピース型 ラップアラウンド型 固定式
見た目 透明・目立たない 前歯にワイヤーが見える 裏側のため外から見えない
装着感 違和感少なめ やや違和感あり ほぼなし
取り外し 可能 可能 不可
耐久性 1〜2年 5年〜 数年〜

矯正リテーナーの装着期間と装着時間

一般的な装着スケジュール

当院では、患者さまの状況や症例によって異なりますが、おおよそ以下のスケジュールでご案内しています。

  • 0〜6ヶ月:食事・歯磨き以外はほぼ常時装着(20〜22時間/日)
  • 6ヶ月〜1年:食事以外は装着(昼間も含む)
  • 1〜2年:就寝時のみ装着
  • 2〜3年:夜間装着を継続

装着期間の方針(当院のスタンス)

最初の2〜3年は集中的にしっかり装着していただく ことが、あともどりを防ぐ最大のポイントです。3年を過ぎても、歯ならびは加齢や口腔習癖の影響で少しずつ変化することがあるため、症例によっては長期的に夜間装着(週に数日でも)を続けることをお勧め しています。

「いつ完全にやめられるか」は、患者さま一人ひとりのお口の状態によって異なります。当院では定期通院時に歯ならびの安定具合を確認し、装着頻度を調整していきます。

装着期間が長引きやすいケース

  • 元々の歯ならびの乱れが大きかった方
  • 噛みしめや歯ぎしりのクセがある方
  • 親知らずがまだ残っている方
  • 加齢による歯ならびの変化が出やすい方

矯正リテーナーの費用|当院のご案内

当院の保定費用

当院では、矯正治療後の 保定費用を一律 税抜5万円(税込55,000円) とさせていただいております。

マウスピース型(クリアリテーナー)の場合、劣化への備えとして 上下3セットをまとめてご提供 していますので、安心して長期間お使いいただけます。

紛失・破損時の費用

リテーナーを紛失された場合、または破損による再作製が必要になった場合は、お作りする種類・回数に応じた実費 をご案内いたします。詳しくはお気軽にスタッフまでお問い合わせください。

リテーナーの正しい使い方とメンテナンス

装着方法

  • マウスピース型・ラップアラウンド型:歯磨きが済んでから装着し、外したらケースに入れて保管
  • 固定式:常時装着のため特別な装着作業は不要

取り外し時の注意(マウスピース型・ラップアラウンド型)

  • 両手で均等な力で外す(片側だけで力を入れると破損の原因)
  • 食事の前に外し、外した直後にティッシュに包まない(誤って捨ててしまうため)

洗浄方法

  • 毎回外したタイミングで流水で洗う
  • 1日1回は市販のマウスピース・入れ歯用洗浄剤に浸して除菌
  • 歯磨き粉でゴシゴシ磨かない(細かい傷がつき菌の温床になる)
  • 熱湯はNG(変形してフィットしなくなる)

▶ 矯正治療中の歯磨きと歯磨き粉の選び方を見る

保管方法

  • 専用の通気性ケース に入れる(湿気を逃す)
  • 高温・直射日光を避ける(変形防止)
  • ペットに注意(特に犬は歯型のついた装置に強く反応します)

リテーナーで起こりやすいトラブルと対処法

装着時の痛み・違和感

新しいリテーナーをつけた直後や、サボった後に再装着した時に「歯が締め付けられる感覚」を感じることがあります。数日で慣れることがほとんど ですが、強い痛みが続く場合は無理せず当院までご相談ください。

紛失・破損

  • すぐに装着しない期間が続くとあともどりが始まるため、気づいた段階で当院に連絡
  • 当面の応急処置として、最後に使用していた古いリテーナーを保管しておくと安心です

黄ばみ・着色

着色しやすい飲食物(コーヒー・お茶・カレー等)を口にした後はうがいを徹底。装着前に水ですすぐだけでも違います。専用の洗浄剤を定期的に使うと黄ばみを防げます。

固定式リテーナーのワイヤーが外れた・折れた時

できるだけ早く当院にご連絡ください。放置すると、外れた部分からあともどりが始まります。応急処置のため当面はマウスピース型を併用していただくこともあります。

マウスピース型がフィットしなくなった時

  • 既にあともどりが始まっている可能性
  • ご自分で「無理やり」装着しないでください
  • 当院で歯ならびの状態を確認のうえ、再作製または修正対応をご案内します

矯正リテーナーに関するよくある質問(FAQ)

Q. リテーナーは一生つけ続けなければいけないですか?

A. 最初の2〜3年は集中的にしっかり装着していただきます。その後は症例によって異なりますが、歯ならびを安定して保つには、夜間装着を長期的に続けることをお勧めしています。完全にやめるタイミングは、当院で定期的に歯ならびを確認したうえでご相談しながら決めていきます。

Q. リテーナーをサボったらどうなりますか?

A. 数ヶ月で軽度のずれが始まり、半年〜1年で噛み合わせの変化、それ以上放置すると見た目で分かるレベルのあともどりが進行します。早期に気づけば軽症で済みますが、進行すると 再矯正が必要 になり、初回より時間も費用もかかります。

Q. マウスピース型と固定式、どちらがおすすめですか?

A. 患者さまの歯ならび・装着習慣・ライフスタイルによって異なります。当院では主にマウスピース型とラップアラウンド型を使用しています。固定式は装着忘れの心配がない反面、歯磨きが少し複雑になるため、症例に応じて使い分けています。

Q. リテーナーをつけたまま食事してもいいですか?

A. NG です。マウスピース型・ラップアラウンド型は食事の前に必ず外してください。装着したまま食事すると装置の破損・変形・着色の原因になり、口腔内も不衛生になります。

Q. リテーナーで虫歯になりますか?

A. 装置自体が虫歯の原因になることはありませんが、装着前の歯磨きを怠ると、リテーナー内で細菌が繁殖して虫歯リスクが上がります。装着前は必ず歯磨きを お願いします。

Q. 紛失したらすぐに作り直しになりますか?

A. はい、あともどりを防ぐためにできるだけ早期の再作製をお勧めします。紛失・破損時は 実費 での再作製となります。当面のつなぎとして、古いリテーナーを保管しておいていただけると安心です。

Q. 子どもの矯正後もリテーナーは必要ですか?

A. はい、必要です。お子様の場合は成長期によって歯ならびが変化することもあるため、定期的なフォローアップと併せて、症例に応じた装着スケジュールをご案内します。

Q. リテーナーで滑舌が悪くなることはありますか?

A. 装着直後は違和感から発音しづらく感じることがありますが、1〜2週間で慣れる ことがほとんどです。長期間しゃべりにくさが続く場合は、装置の調整で改善できることもあります。

堺市・鳳駅でリテーナーのご相談なら

しま歯ならび矯正歯科は、鳳駅徒歩1分の矯正治療専門医院です。リテーナーの紛失・破損、装着の不安、長期的な歯ならびの維持についてのご相談を承っております。

矯正治療を当院以外で受けられた方も、リテーナーの作り直しや調整のご相談にお越しいただけます。

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この記事の監修者

しま歯ならび矯正歯科 院長 島和弘
しま歯ならび矯正歯科
院長 島 和弘

経歴

  • 2011年3月奥羽大学歯学部卒業
  • 2018年4月東北大学病院矯正歯科 医員
  • 2018年8月日本骨代謝学会の1st Authorを受賞
  • 2018年11月日本矯正歯科学会 認定医取得
  • 2022年6月しま歯ならび矯正歯科 開院

資格・所属学会

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