歯と歯の接触癖、TCHってなに?
こんにちは、しま歯ならび矯正歯科です🦷新しい年度がスタートして、だんだん疲れが出てきている時期かと思います🤔疲れやストレスがたまってきて、歯ぎしりしているよとご家族に指摘されたりご経験はありませんでしょうか?
という訳で、今回はいろいろな種類の歯ぎしりに関してお話ししていきたいと思います😊
①ブラキシズムとは?
ブラキシズムとは、反復して上下の歯を当てて行う歯ぎしりや食いしばりを行うことをいいます。「ぎしぎし」や「きりきり」といった音を出して歯をこすり合わせるような行動は、一般的に”歯ぎしり”と言ってブラキシズムの代表です。こちらは”グラインディング”とも言われます。しかし、ブラキシズムの中には音のしないものも含まれ、”食いしばり・噛みしめ”を主とする”クレンチング”と呼ばれるものもあります。
グラインディングは歯ぎしり音を伴い、歯がすり減ることがありますが、クレンチングはそのような明らかな症状が出ないため気づかないことが多いのです😯
②ブラキシズムのタイプ
睡眠中に行われる「睡眠時ブラキシズム」と日中起きている間に行われる「覚醒時ブラキシズム」があります。
睡眠時ブラキシズムは、寝ている時に無意識のうちに行っているため覚醒時よりも強い力がかかっている可能性があります。このような強い力が歯や顎にかかると、歯が折れたり、被せ物が欠けたり、顔の周りの筋肉痛をおこしたり、顎関節から音が鳴るようになったり…など様々な困り事の原因となります。
③TCHってなに!?
食いしばりと聞くと、恐らく、最大で出せる咬む力の70-80%くらいをイメージされるかと思います。しかし、強い力での食いしばりだけでなく、弱い力で歯と歯が接触する程度の力でも癖になってしまうと、上記のような顔周りの筋肉痛や顎関節の痛みなどに繋がっていく可能性があるので注意が必要です 😱
一般的には、1日の中で歯と歯の接触時間は15分〜20分程度と言われています。こちらを超えるような歯と歯の接触(Tooth Contacting)が習慣化して癖となったものを”Tooth Contacting Habit(TCH、歯列接触癖)”と言います。
④なぜTCHはおこるの?
歯と歯を噛み合わせる時には、口周りのさまざまな筋肉を使います。特に使われるのが咬筋と言われる筋肉で、ぐっと噛みしめると耳の下あたりの筋肉がムキっと触れるかと思います。
この咬筋ですが、上の前歯に内側から外側の方向で力を加えると反射的に活動が誘発(緊張性歯根膜咬筋反射)されるため、TCHがおこりやすくなります。この力の方向性は、頭部が前傾しややうつむくような姿勢をとる場合に生じやすく、スマートフォン操作やデスクワーク、家事などでおきやすいため、無意識で生じている可能性があります。また、決められた集中作業を行うと咬筋の筋活動レベルが増加するという報告もあるので、ストレスや緊張によってもTCHが生じる場合があります😬
⑤TCHをコントロールするために
1stステップ:理解する
上記で示した通り、1日で歯が接触する時間は15-20分程度です。食いしばりまでいかないような軽い歯の接触であっても、持続することによって顎や筋肉、歯に負担がかかってくるという事を再確認しましょう!
2ndステップ:気づく
付箋やシールなどをパソコンや冷蔵庫などに貼って、それらリマインダーが目に入った時に歯の接触をしていないかどうか確認してみて下さい。5割以上の頻度で歯の接触があったら、かなり多いです。
もし歯の接触に気づいたら、大きく深呼吸をすると、自然と上下の歯が離れていくのが分かるかと思います😮💨
3rdステップ:強化する
2ndステップを繰り返すことにより、リマインダーがなくても歯の接触に気づけるようになってきます。
⑥矯正で歯に力を加えるのとTCHの違いってなに?
矯正装置により加わる力は、数週間から数ヶ月に渡って一定の大きさで加わり、骨の吸収と再生が効率よく行われ、歯の移動が生じます。
一方、TCHにより加わる力は反復性であり、持続時間も数分から数十分であるため骨の吸収と再生のサイクルが生じず負荷の緩和が起きにくいため、様々問題につながりやすいと考えられます。
TCHについてお分かりいただけたでしょうか?無意識でしてしまっていることも多いので、まずは気づくことが大切になります。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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