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医療コラム

矯正中の歯ぐきの腫れ・予防

皆様こんにちは

しま歯ならび矯正歯科の歯科助手Gです。

今回はタイトル通り、矯正中におこる歯茎の腫れや原因、その対処法(予防法)についてご説明いたします。

現在矯正をされている方、今後矯正治療を検討している方にも知っていて損はない内容ですので

是非最後までお付き合いくださいね。

 

歯列矯正中の歯ぐきの腫れ・予防

  • はじめに:矯正中に「歯ぐきが腫れる」のは珍しくない
  • 第1章:歯列矯正中に歯ぐきが腫れやすくなる理由
  • 第2章:歯ぐきの腫れを引き起こす主な原因
  • 第3章:装置別にみる歯ぐきトラブルの特徴
  • 第4章:歯ぐきの腫れを放置するとどうなる?
  • 第5章:自宅でできる対処法
  • 第6章:歯科医院で行う治療とケア
  • 第7章:矯正中に歯ぐきを健康に保つための予防習慣
  • 第8章:子どもの矯正で気をつけたい歯ぐきトラブル
  • 第9章:こんな症状があれば早めの受診を
  • 第10章:矯正治療を成功させるために大切なこと
  • おわりに

 


はじめに:矯正中に「歯ぐきが腫れる」のは珍しくない

「矯正を始めてから歯ぐきが腫れてきた」
「歯みがきすると出血する」
「装置の周りが赤くぷくっとしている」

歯列矯正中、このような症状を経験する患者さんは少なくありません。

私も臨床に携わる中で実際に患者さんの歯ぐきが腫れているのをよく目にします。

また、患者さん自身が自分の歯茎の腫れに気が付いていない事もしばしば…

矯正治療では、歯を少しずつ動かして理想的な歯ならびや噛み合わせへ導いていきます。しかしその一方で、矯正装置が入ることで口腔内の環境は大きく変化します。

特にワイヤー矯正では、ブラケットやワイヤーの周囲に汚れが溜まりやすくなり、普段よりも歯みがきが難しくなります。

その結果、歯ぐきに炎症が起こり、腫れや出血につながることがあります。

また、マウスピース矯正でも安心とは限りません。アタッチメントやゴムかけ用ボタン周囲の清掃不足

アライナー内部の清掃が不十分なことに伴う細菌繁殖などにより、歯肉炎が起きるケースもあります。

矯正中の歯ぐきの腫れは、一時的な軽い炎症で済むこともありますが、放置すると歯周病へ進行し、矯正治療そのものに悪影響を与えることもあります。

だからこそ、
「なぜ腫れるのか」
「どう対処すればよいのか」
「どう予防するのか」を正しく知ることがとても大切です。


第1章:歯列矯正中に歯ぐきが腫れやすくなる理由

矯正装置は“汚れが溜まりやすい環境”を作る

歯列矯正中に歯ぐきが腫れやすくなる最大の理由は、口腔内の清掃性が低下するためです。

通常、歯の表面は比較的なめらかで、歯ブラシも届きやすい状態です。

しかし矯正装置が入ることで、複雑な凹凸が生まれます。

特にワイヤー矯正では、

  • ブラケット
  • ワイヤー
  • ゴム
  • バンド

などが付くことで、食べかすやプラーク(歯垢)が停滞しやすくなります。

プラークは細菌の塊です。
これが歯ぐきの周囲に溜まると、炎症反応が起こります。

すると、

  • 赤み
  • 腫れ
  • 出血
  • 痛み

などが現れるようになります。

歯が動くことで一時的に炎症が起こることもある

矯正では、歯槽骨の吸収と再生を繰り返しながら歯を移動させます。

その過程で周囲組織に軽い炎症反応が起こることがあります。

通常は問題ありませんが、

  • 清掃不良
  • 強い矯正力
  • 免疫低下

などが重なると、炎症が強くなり歯ぐきが腫れやすくなります。

ホルモンや体調も影響する

歯ぐきは非常にデリケートな組織です。

特に、

  • 思春期
  • 妊娠中
  • ストレス
  • 睡眠不足

などでは炎症が起こりやすくなります。

矯正装置による刺激が加わることで、通常より強く腫れが出ることもあります。


第2章:歯ぐきの腫れを引き起こす主な原因

原因① プラークの蓄積

最も多い原因です。

歯みがき不足により細菌が増殖すると、歯肉炎が起こります。

初期段階では、

  • 歯みがき時の出血
  • 軽い赤み
  • むずがゆさ

程度ですが、進行すると強い腫れや痛みが出ます。

原因② 歯石の付着

磨き残したプラークは時間とともに歯石へ変化します。

歯石は表面がザラザラしており、さらに細菌が付きやすくなります。

矯正中は歯石が付きやすいため、定期クリーニングが重要です。

原因③ 装置による物理的刺激

ワイヤーやブラケットが歯ぐきに接触すると、慢性的な刺激となることがあります。

特に、

  • ワイヤーの飛び出し
  • 装置の変形
  • 奥歯のバンド

などは炎症を起こしやすいポイントです。

原因④ 口呼吸

矯正中は口が閉じにくくなり、口呼吸になる患者さんもいます。

口呼吸になると歯ぐきが乾燥し、防御機能が低下します。

すると細菌が繁殖しやすくなり、炎症が悪化します。

原因⑤ 食生活

糖分の多い食事や間食が多いと、細菌活動が活発になります。

また、やわらかいものばかり食べていると自浄作用も低下します。


第3章:装置別にみる歯ぐきトラブルの特徴

ワイヤー矯正の場合

歯ぐきが腫れやすい装置です。

理由は、

  • 清掃が難しい
  • 汚れが停滞しやすい
  • 装置が歯ぐきを刺激しやすい

ためです。

特に前歯のブラケット周囲は歯肉増殖を起こすことがあります。

歯ぐきがぷくっと盛り上がり、ブラケットを覆うようになるケースもあります。

マウスピース矯正の場合

比較的清掃性は高いですが、

  • アライナー清掃不足
  • 長時間装着
  • 唾液循環低下

などで炎症が起こることがあります。

また、アタッチメント周囲に汚れが溜まるケースもあります。

裏側矯正の場合

舌側は見えにくいため磨き残しが増えやすい傾向があります。

さらに舌との接触が多く、炎症や口内炎を起こすことがあります。

当院でも裏側矯正中の患者さんによく歯肉の腫れがおきていることが見受けられます。


第4章:歯ぐきの腫れを放置するとどうなる?

歯周病へ進行する可能性

軽い歯肉炎であれば改善可能ですが、放置すると歯周炎へ進行します。

歯周炎になると、

  • 骨が溶ける
  • 歯が揺れる
  • 口臭が強くなる

などの問題が起こります。

矯正治療に悪影響が出る

歯ぐきが強く腫れると、

  • 歯が動きにくくなる
  • 治療期間が延びる
  • 痛みが増える

ことがあります。

場合によっては歯茎の腫れや痛み、出血が続いている患者さんには一時的に矯正治療を進めることをやめ

歯茎の腫脹が落ち着くまでクリーニングをしたり、歯ブラシの指導を行うケースもあります。

見た目にも影響する

歯ぐきの腫れは審美性にも影響します。

せっかく歯並びが整っても、歯ぐきが腫れていると健康的に見えません。

矯正治療では「歯並び」だけでなく「歯ぐきの健康」も重要です。


第5章:自宅でできる対処法

丁寧なブラッシング

最も重要です。

矯正中は通常以上に時間をかけて磨く必要があります。

ポイントは、

  • 歯と歯ぐきの境目
  • ブラケット周囲
  • ワイヤーの下

を意識することです。

補助清掃器具を使う

通常の歯ブラシだけでは不十分です。

以下を併用しましょう。

  • タフトブラシ
  • 歯間ブラシ
  • フロス
  • ウォーターフロッサー

特にタフトブラシは矯正中に非常に有効です。

また、ワイヤー矯正をされている方にお勧めの歯ブラシをご提案させて頂く事もあります。

洗口液を活用する

殺菌作用のある洗口液は炎症予防に役立ちます。

ただしアルコールが強いものは刺激になることもあるため注意が必要です。

口呼吸を改善する

鼻呼吸を意識するだけでも歯ぐき環境は改善します。

  • 就寝時の乾燥対策
  • 鼻炎治療
  • 舌の位置改善

なども有効です。

特に就寝時はいびきテープ(鼻呼吸テープ)の併用もおススメです。

食生活を整える

糖分を減らし、バランスのよい食事を意識しましょう。

よく噛むことで唾液分泌も促進されます。


第6章:歯科医院で行う治療とケア

プロフェッショナルクリーニング

矯正中はセルフケアだけでは限界があります。

定期的なクリーニングで、

  • 歯石除去
  • バイオフィルム除去
  • 着色除去

を行うことが重要です。

ブラッシング指導

患者さんごとに磨きにくい部位は異なります。

歯科医院では、

  • 鏡を使った指導
  • 染め出し
  • 器具の選択

などを行います。

ワイヤー調整

飛び出したワイヤーや強い刺激が原因の場合、調整で改善できます。

無理に自分で触らず、痛みがあったり、何か器具がは売れている場合は我慢せずに歯科医院へ相談しましょう。

炎症治療

腫れが強い場合は、

  • 洗浄
  • 消毒
  • 薬剤塗布

を行うことがあります。

必要に応じて抗菌薬を使用するケースもあります。


第7章:矯正中に歯ぐきを健康に保つための予防習慣

定期通院を欠かさない

矯正調整だけでなく、歯ぐきチェックも重要です。

異常を早期発見できれば重症化を防げます。

毎日のセルフケアを習慣化する

矯正中は「磨いているつもり」になりやすいです。

時間を決めて丁寧に磨く習慣が大切です。

歯磨きだけでなく歯間フロスを毎日使用することや、歯茎のマッサージなどをすることもオススメです。

歯ぐきのマッサージについては下記にてご説明いたします。

 

~マッサージをする前に~

※歯茎マッサージは指で行うため特別な道具等は必要ありません。

①指を口に入れるため手指や口の中はきれいな状態で行いましょう

②爪が伸びている場合は口の中を傷つけて傷口から雑菌が入ってしまうことも考えられますので必ず爪は短くして行いましょう。

マッサージをするためのジェル等も販売されているのでそちらを使用することもオススメです。

 

~マッサージを行うタイミング~

指がすぐに洗い流せてリラックスできるタイミングとなると入浴中に行うことがオススメです。

~マッサージ方法~

下の奥歯側から前歯側の順に歯の付け根と歯茎部分を人差し指の腹でくるくると円をえがきながら動かしていきます。

 頬側と舌側の両側を自分が気持ちのいい力で押してください!

②上の歯茎も①と同様にマッサージしていきます。

人差し指と親指で下の奥歯側から前歯側の順で歯の付け根と歯茎部分をつまみながら動かしていきます。

④上の歯茎も③と同様に行います。

⑤人差し指で口の中から頬を外に3~4回ほど引きます。

⑥最後に奥歯側から前歯側の順に人差し指のはらで歯茎を押して終了となります。

①~⑥の工程を痛くない範囲で1日に数分を1~2回行っていただけると効果的です。

ご自宅で今日から開始できますので歯茎の腫れが気になる時に歯茎マッサージを実践してみてください。

 

装置トラブルを放置しない

違和感があれば早めに相談しましょう。

小さな刺激が慢性炎症につながることがあります。

睡眠と体調管理

免疫低下は歯ぐきの炎症を悪化させます。

生活習慣の改善も重要です。

毎日お酒を飲まれる方も要注意です


第8章:子どもの矯正で気をつけたい歯ぐきトラブル

子どもは大人より清掃が未熟です。

特に混合歯列期では、

  • 生え変わり
  • 装置の複雑化
  • 磨き残し

が起こりやすくなります。

さらに思春期はホルモン変化で歯肉炎が悪化しやすい時期です。

保護者の方による仕上げ磨きやチェックが重要になります。

特に固定式装置(急速拡大装置、リンガルアーチ等)の装置周りは子供自身では見えずらい為

保護者の方の毎日の仕上げ磨きがかなり重要となります。

当院では装置セット時に正しい歯ブラシの当て方等、装置セット時に詳しくご説明しておりますので

ご不明点は何でもご相談くださいね。


第9章:こんな症状があれば早めの受診を

以下の症状がある場合は早めに受診しましょう。

  • 強い腫れ
  • 強い痛み
  • 膿が出る
  • 出血が止まらない
  • 発熱を伴う
  • 歯がぐらつく
  • 強い口臭

単なる歯肉炎ではなく、感染や歯周病が進行している可能性があります。


第10章:矯正治療を成功させるために大切なこと

歯列矯正は「歯を並べる治療」ですが、それだけではありません。

健康な歯ぐきと歯周組織があってこそ、安全に歯を動かすことができます。

どれほど綺麗な歯並びになっても、

  • 歯ぐきが腫れている
  • 出血している
  • 歯周病が進行している

状態では、本当の意味で健康的とはいえません。

矯正中は、
「歯並び」
「噛み合わせ」
だけでなく、
「歯ぐきの健康」
にも意識を向けることが大切です。

毎日のセルフケアと定期的なメンテナンスを続けながら、健康的で美しい口元を目指していきましょう。

 

 

 

いかがでしたでしょうか?矯正治療中は知らず知らずのうちに歯茎の健康が損なわれて腫れや痛みが出ることも多いです。

定期的なクリーニング(定期健診)はもちろんのこと、ご自宅での日々の

歯茎マッサージ』についてお話させていただきました。

1日数分でご自宅にて簡単に行えるマッサージですので、是非試してみてくださいね

今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

次回もお楽しみに

 

当院のホームページはコチラ↓

【公式】しま歯ならび矯正歯科|堺市の矯正歯科 (shima-ortho-clinic.com)

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この記事の監修者

しま歯ならび矯正歯科 院長 島和弘
しま歯ならび矯正歯科
院長 島 和弘

経歴

  • 2011年3月奥羽大学歯学部卒業
  • 2018年4月東北大学病院矯正歯科 医員
  • 2018年8月日本骨代謝学会の1st Authorを受賞
  • 2018年11月日本矯正歯科学会 認定医取得
  • 2022年6月しま歯ならび矯正歯科 開院

資格・所属学会

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