急速拡大装置と拡大床について
- 2025年3月12日
- お知らせ
皆様こんにちは🦷
しま歯ならび矯正歯科の歯科助手Gです🌟
日が落ちる時間がだいぶ遅くなってきて、寒さも少しずつ落ち着いてきましたね😊
いよいよ春の兆しが、、、と油断した時に急に寒くなったりとまだまだ寒さの対策は必要そうです😱
もう少し過ごしやすい気温になるまで体調管理は十分に気を付けましょうね🐰
さて!今回は、当院の小児矯正治療でよくみられる”急速拡大装置”と”拡大床”についてお話していきます🤓
聞いたことはあるけど、実際どうなの?と気になられている親御さんも多いのではないでしょうか!
是非最後までお付き合いくださいね♪
第1章:急速拡大装置と拡大床の違い
急速拡大装置(RPE)と拡大床は、顎の発達を促進し、歯ならびを改善するために使われますが、その目的や仕組み
使用方法には大きな違いがあります。ここではそれぞれの特徴を深掘りしていきます✍
1.1 急速拡大装置(RPE)の特徴
急速拡大装置(RPE)は、上顎の骨を横に拡大するために使用される装置です🤖
上顎の歯列を骨ごと広げることで、狭くなった歯ならびにスペースを作りそのスペースを用いて歯をならべていきます🤓
この装置は、小児の歯列矯正の中で非常に効果的な方法として当院でも多くの症例に用いられています!
また急速拡大装置は、口腔内に固定される取り外しのできない金属製の装置で、上顎の第二乳臼歯か第一大臼歯部に”バンド”と
よばれる金属の輪っかを取り付け、そこからワイヤーが伸びており口蓋部に装置を拡張するためのネジが内蔵されています。
治療開始時に歯科医師が調整し、親御様に一定の期間ごとにネジを回してもらうことで上顎を徐々に広げていきます👯
この拡大は上顎の骨を急速に広げるため、約6ヶ月~1年経過後骨が安定次第装置を外していきます。
急速拡大装置はその名の通り、顎を急速に拡大するため、特に成長期の子供に使用されることが多いですが
近年では成人にも使用されることがあります。(第5章にて詳しく掲載)
※成人の場合、顎骨の成長が終了しているため急速拡大装置を使用しても骨の拡張に制限があり
治療の効果が若干緩やかになることがあります👦👩
1.2 拡大床の特徴
拡大床は、急速拡大装置とは異なり患者様自身で取り外しができるタイプの矯正装置です🤖
これにはプラスチック製の床と金属のアーム、床の真ん中に拡張ネジが内蔵されてそれらが組み合わさってできており
拡張ネジを拡大していくことで歯列を広げ歯を並べるためのスペースを作っていきます🦷
(当院では比較的軽度の歯列不正や成長期にある患者様に使用されています🌞)
また、当院では上顎の急速拡大終了後に拡大床に切り替えて保定しながら拡大を進めたり
噛み合わせを上げるための装置(咬合挙上板)を組み合わせて装着することが多いです
拡大床の最大の利点は、装着が比較的簡単である点です。急速拡大装置に比べて装置が小さく
患者の負担が少ないという特徴があります。しかしその反面、急速拡大装置に比べて治療期間が長くなることが多いです🐰
拡大床は、歯列の幅を広げる効果が穏やかで、数ヶ月から数年かかることがあります。
1.3 それぞれの治療方法の選択基準
急速拡大装置と拡大床、どちらで治療を開始するかの選択は、患者の年齢、顎の発達状態、歯列の状態などによって決まります。
急速拡大装置は、顎骨の拡大を急速に行うことができるため、成長期の子供や思春期に非常に効果的です。
反対に、拡大床は治療の進行が緩やかではありますが治療の負担が少なく、軽度の歯ならびを改善したい患者様には適しています😊
第2章:鼻呼吸の重要性とその関係
矯正治療を行う際、特に急速拡大装置や使用している患者様には、鼻呼吸の改善に重要な役割を果たします。
治療の効果を最大限に引き出すためには、呼吸方法や口腔内の筋肉の働きにが大切です!
鼻呼吸がどのように矯正治療と関係しているのか、そして口呼吸が治療に与える影響について詳しく解説します🌟
2.1 鼻呼吸の効果
鼻呼吸は、口腔内や顔面の発育にとって非常に重要です。正常な呼吸方法は、鼻を通じて空気を吸い込み
喉や気道を通って肺に届ける過程で、空気を適切に加湿し、温め、浄化することができます🤓
この過程が健康的な呼吸の基盤となり、顎や顔の骨格にも良い影響を与えるのです🤩
特に、急速拡大装置を使用している場合、骨ごと拡大ができるので鼻腔を広げ鼻呼吸がしやすくなるというメリットがあります🌼
鼻呼吸をすることで、舌の位置が正しい位置に保たれ、上顎を拡大する際に正しい筋肉の働きが発揮されます。
このため、鼻呼吸を維持することは顎の拡大と矯正治療の成功を支える要因の一つとなります。
2.2 口呼吸との違い
口呼吸は、鼻呼吸とは異なり喉を通じて空気を吸い込みます。
口呼吸が常習化すると、口腔内の乾燥が生じ唾液の分泌量が減少します。
この乾燥状態が続くと口内の健康が損なわれ虫歯や歯周病のリスクが高まります。また、口呼吸によって舌の位置が不正になり
顎の成長に悪影響を与えることがあります。
舌が下に下がり口を開けて呼吸をすることで、顎の骨が正しく発育せず、歯ならびに悪影響を及ぼすことがあるため
矯正治療中は口呼吸を避けるよう当院では指導をしています😯
2.3 鼻呼吸を意識するための方法
矯正治療中に限らず、日常生活をするうえで鼻呼吸を意識的に行うようにしましょう🐱
鼻の通りが悪い場合や鼻づまりがある場合には、耳鼻科での治療を受けることを検討しましょう👆
特に、アレルギーや風邪などで鼻づまりがあると、無意識のうちに口呼吸になりがちです。
治療を受けることで、鼻呼吸をしやすい環境を整えることができます🥳
鼻呼吸を促進するためには、当院ではかなり力をいれて行っている”MFT(口腔筋機能療法)”を行うのも効果的です🌟
🐻詳しくはコチラのコラムをご覧ください↓
MFTってなに?|【公式】しま歯ならび矯正歯科|堺市西区鳳駅の矯正歯科
第3章:治療中の痛みと違和感
急速拡大装置や拡大床を使用する中で、多くの患者様が経験するのが「痛み」や「違和感」です。
これらの症状は矯正治療の一部として避けられないものではありますが、適切な対処をすることで快適に治療を進めることができます。
ここからは、治療中に感じる痛みの原因、感じやすいタイミング、痛みの緩和方法について詳しく解説します😊
3.1 痛みの原因
急速拡大装置や拡大床を使用していると、初めて装置を装着した時や調整時に痛みを感じることがあります。
痛みの原因は、主に歯や顎の骨にかかる圧力によるものです。特に急速拡大装置では顎骨を急速に広げるため最初の数日間に
顎の関節や骨に圧力がかかり、痛みが生じることもあります。
また、装置が口腔内にフィットし始めると、舌や頬、歯肉に接触して違和感や痛みを引き起こすことがあります。
拡大床に関しても、初めて装着したときに、口腔内に違和感を感じることがあります。
これらの違和感は、通常数日から数週間以内に慣れていきますが、最初はしばらく不快に感じることがあるでしょう🤧
3.2 痛みの感じやすいタイミング
急速拡大装置の場合、特に装置を調整した後、顎の拡大が進んでいく段階で痛みを感じやすくなります。
(装置を装着してから数日~数週間以内で、顎が広がることで歯や骨が微細に動くことによる痛みや
歯に圧力がかかることによる痛みを感じやすい)
拡大床も同様に、拡大の調整をいれた2~3日ほどは口腔内が圧迫されて痛みや違和感がでることがあります。
(数日経てば痛みは消失していきます)
3.3 痛みの緩和方法
痛みを和らげるためには、痛み止めを使用することが効果的です。市販の鎮痛剤(アセトアミノフェンなど)を服用することで
痛みを緩和できます。また、冷たい飲み物や氷で口を冷やすことで、痛みや腫れを軽減することができます。
さらに、柔らかい食事を摂ることも痛みの緩和に役立ちます。固い食べ物や硬い食材を避け、やわらかい食事やスムージー
スープなどを摂取することをお勧めします。装置が調整された後は、過度に歯を使わないように心掛けることも大切です😊
第4章:装着時間と装着期間
急速拡大装置や拡大床の効果を最大限に引き出すためには、適切な装着時間と装着期間を守ることが重要です。
この章では、装着時間の目安、装着期間の長さ、治療中にどれくらいの頻度で調整が行われるかについて詳しく解説します。
4.1 装着時間の目安
急速拡大装置の場合、固定式の装置となりますのでお食事の際や歯磨き時等も基本的に装置は装着したままとなります!
装着の目安期間は約9~12ヶ月ほどで、その間に拡大を開始し骨が安定して後戻りの可能性が少なくなった時点で
装着と取りやめて次の装置に移行していきます🤓
拡大床の場合、1日8時間以上の装着が望ましいとされています。
当院では就寝時のみの装着でとご説明しておりますが、日中も可能であれば装着をしていただくことをオススメしています🌟
4.2 装着期間
急速拡大装置の装着期間は比較的短期間であり、通常、数ヶ月~1年程度の期間で終了します。治療が進むにつれて顎の拡大が進み
矯正歯科医師の指示に従って、徐々に装置の拡大をを減らしていったり、装置を外したりしていきます。
拡大床の場合、治療期間は数ヶ月から1年を超えることもあります。治療を進めるにあたり装置の調整が必要なため
定期的に歯科医院を訪れることが求められます。
第5章:MSE(骨格性上顎前突に対する治療法)
MSE(Maxillary Skeletal Expander)は、急速拡大装置の一種で、上顎の骨格に直接作用する矯正治療法として注目されています。
MSEは特に成人の患者様や成長が終了した患者様に有効な治療法とされており、骨格的な問題に対して強力な効果を発揮します。
5.1 MSEとは?
MSE(Maxillary Skeletal Expander)は、上顎の骨を広げるための装置で、急速拡大装置と同様歯列に影響を与えるだけでなく
顎の骨そのものを広げることができます。この治療法は、特に成人の患者や顎の成長が終了した患者に対して非常に有効です。
急速拡大装置と同じように、MSEも口腔内に装着され、上顎の中央部分に金属製のネジとバーを装着し
患者様がご自宅でそのネジを回すことによって、上顎の骨を拡大していきます。
この拡大方法により、歯列に十分なスペースを作り、歯ならびを改善することが可能となります。
うまくいけば抜歯をせずに治療を進めることができるかもしれません。
5.2 MSEの適応症と効果
MSEは、上顎の骨格的な問題に対して効果的です。特に、上顎前突(骨格性上顎前突)や顎が狭いことによる
歯列不正に有効とされています。これらの問題がある患者様にMSEを使用することで、顎骨の拡大が促され、顎の位置が改善されます。
その結果、歯の並びが整い、顔貌のバランスも改善されることがあります。
MSEは、成長が終了した成人でも使用できるため、従来の急速拡大装置では対応できなかった患者にも
適用できるというメリットがあります。特に顎の骨を拡大する力が強力で、確実に骨格的な改善が見込めることが特徴です🥳
5.3 MSEの治療過程と期間
MSEの治療は、通常、急速拡大装置よりも短期間で効果が見られますが、治療の初期段階では患者に多少の痛みや
違和感を感じることがあります。MSEの治療過程では、治療開始後数日から数週間にわたり顎の拡大が進行します。
最初は痛みが伴うことがあるため、適切な痛み止めを使用しながら進めていきます。
また、MSEによる治療期間は通常6ヶ月~1年ほどで、治療後の維持期間を経て、歯ならびの改善が安定するまで続きます。
治療後も、顎の形が元に戻らないように維持装置を使用することが推奨されます😊
5.4 MSEのメリットとデメリット
メリット
- 成人にも使用できる
- 上顎骨を直接拡大できるため、効果が確実で速い
- 骨格的な問題に対応できる
デメリット
- 初期段階では痛みや違和感を感じることがある
- 装置が大きく、口腔内で違和感を感じる場合がある
- 成功のためには患者の協力が必要
MSEは、骨格的な歯列不正に対して非常に効果的であり、成人や顎の成長が終了した患者にとって
他の方法に比べて圧倒的な治療効果が期待できるため、近年多くの矯正歯科で取り入れられています。
いかがでしょうか!
本日は急速拡大装置と拡大床の違い、また、成人の急速拡大装置(MSE)についてお話しました🐱
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