矯正治療で意見が分かれるポイント
- 2026年1月23日
- お知らせ
矯正治療で意見が分かれるポイント
― なぜ歯科医師ごとに説明が違うのか ―
もくじ
抜歯か、非抜歯か ― 臼歯の遠心移動という選択肢
ワイヤー矯正か、マウスピース矯正か
治療期間の考え方
咬み合わせをどこまで重視するか
治療費の考え方
なぜ色々な先生の話を聞くことが大切なのか
まとめ
矯正治療のご相談を受けていると、次のようなお話を伺うことがあります。
「ある医院では抜歯が必要と言われましたが、別の医院では抜かなくていいと言われました」
「ワイヤー矯正が良いと言われた医院もあれば、マウスピース矯正で十分と言われた医院もあります」
「治療期間や費用の説明が、医院ごとに少しずつ違います」 こうした説明の違いに、不安を感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、矯正治療において意見が分かれること自体は、決して珍しいことではありません。
矯正治療は、歯並びという限られた一部分だけを見る治療ではなく、骨格、咬み合わせ、機能、さらには治療後の安定性までを含めて判断する医療行為です。
そのため、診断や説明に多少の違いが生じることは自然なこととも言えます。
本記事では、矯正治療で特に意見が分かれやすい代表的なポイントと、その背景にある考え方について、できるだけ分かりやすくご説明します。
1.抜歯か、非抜歯か ― 臼歯の遠心移動という選択肢
矯正治療で最も話題に上がりやすいのが、「抜歯が必要かどうか」という点です。 歯を並べるためのスペースが不足している場合、従来は小臼歯を抜歯してスペースを確保する方法が一般的でした。しかし近年では、診断技術や補助装置の進歩により、抜歯以外の選択肢も検討されるようになっています。 代表的な方法として、歯列を側方に広げる方法、前歯をわずかに前方へ移動させる方法、そして臼歯を後方(遠心)へ移動させる方法があります。 臼歯の遠心移動は、奥歯全体を後方へ移動させることで前方にスペースを作り、歯を並べる余地を確保する治療法です。アンカースクリューなどの補助装置を併用することで、従来よりもコントロールしやすくなり、実際の臨床でも選択肢のひとつとして定着しつつあります。 一方で、臼歯の遠心移動には適応の限界があります。骨格的な制約や、上顎洞・下顎枝との位置関係、咬み合わせへの影響、治療後の安定性などを総合的に評価する必要があります。 また、無理な遠心移動は、治療期間の延長や後戻りのリスクにつながる可能性もあります。 そのため、遠心移動を積極的に取り入れる医師もいれば、長期的な安定性や咬合の完成度を重視して抜歯を選択する医師もいます。この違いは、治療技術の差というよりも、治療のゴール設定やリスクに対する考え方の違いによるものです。
2.ワイヤー矯正か、マウスピース矯正か
近年、マウスピース矯正の普及により、治療方法の選択肢が広がりました。 マウスピース矯正は、装置が目立ちにくく、取り外しができるという利点があります。一方で、歯の回転量が大きい場合や、上下の咬み合わせを細かく調整する必要がある場合には、ワイヤー矯正の方が安定した結果を得やすいこともあります。 どちらの装置にもメリットと限界があり、症例によって適・不適が分かれます。 医院ごとに提案が異なる背景には、使用している装置の違いだけでなく、医師の経験や得意分野、治療結果に対する考え方の違いがあります。 重要なのは、装置の種類そのものよりも、その治療法が現在の状態や将来の咬み合わせに合っているかどうかです。
3.治療期間の考え方
治療期間についても、医院によって説明が異なることがあります。 これは、どこまでを治療のゴールと考えるかによって、必要な治療工程が変わるためです。見た目の改善を中心に考える場合と、咬み合わせや機能面まで丁寧に整える場合とでは、どうしても治療期間に差が生じます。 また、歯の動きやすさや患者さんの協力度によっても、治療期間は変わります。装置の使用状況や通院間隔、日常生活での協力が、結果に影響することも少なくありません。 治療期間が短いか長いかだけで判断するのではなく、その期間設定にどのような根拠があるのかを確認することが大切です。
4.咬み合わせをどこまで重視するか
矯正治療は、歯並びを整える治療であると同時に、咬み合わせを整える治療でもあります。 見た目が整っていても、咬み合わせが不安定な場合、歯や顎関節への負担が将来的に問題となることがあります。そのため、咬合の安定性を重視する治療では、時間をかけて微調整を行うことがあります。 一方で、咬み合わせを細かく追求するほど、治療期間が延びたり、装置が複雑になることもあります。 このバランスをどのように取るかは、医師の治療に対する考え方が反映されやすい部分です。
5.治療費の考え方
矯正治療の費用は、医院によって幅があります。 この違いは、単に価格設定の差というよりも、治療に含まれている内容の違いによるものです。診断にかける時間、治療計画の立て方、通院時の調整内容、治療後のフォロー体制など、目に見えにくい部分も治療費に含まれています。 矯正治療は数年にわたる長期的な治療です。そのため、治療費は「歯を動かす費用」というよりも、「治療全体を通しての管理とサポート」に対する費用と考えると分かりやすいかもしれません。 費用が抑えられている治療にも、それなりの理由がありますし、費用が高めに設定されている治療にも背景があります。 費用ももちろん大切ではありますが最も大切なのは説明内容に納得できるか、安心して任せられるかという点です。
6.なぜ色々な先生の話を聞くことが大切なのか
矯正治療には、ひとつの正解があるわけではありません。 そのため、複数の歯科医師の説明を聞いてみることは、決して特別なことではなく、自然な行動だと考えています。 先生ごとに、診断で重視しているポイントや治療の進め方、リスクの捉え方が異なります。複数の説明を聞くことで、共通する考え方や、意見が分かれる部分が見えてきます。 その中で、「この説明なら納得できる」「この考え方なら安心できる」と感じられるかどうかが、治療を選択するうえで重要です。 矯正治療は、医師と患者さんが長期間にわたって関わる治療です。 だからこそ、治療内容だけでなく、説明の仕方や考え方に信頼が持てるかどうかを大切にしていただきたいと思います。
7.まとめ
矯正治療で意見が分かれるのは、医師の優劣によるものではなく、診断基準や治療に対する考え方の違いが反映されているためです。 「どれが正しいか」を探すよりも、 「自分が納得し、安心して任せられるか」。 当院では、見た目だけでなく、咬み合わせや機能面まで含めた診断を行い、治療の選択肢とその理由を丁寧にご説明することを大切にしています。 気になる点があれば、どうぞお気軽にご相談ください。
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