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虫歯のなりたち

虫歯のなりたち|堺市で矯正歯科を行う、しま歯ならび矯正歯科

虫歯ってなぜできるの?

虫歯の人のイメージ

虫歯の初期は、歯の表面に作られた歯垢(プラーク)の中の細菌が私たちの取り入れた食物を介して酸を産生することにより始まります。この状態が進行するとプラーク内に酸が貯留し、歯の表面からカルシウムなどのミネラルが溶け出してしまいます(脱灰)。しかし、お口の中に存在する唾液の働きによって酸が中和され、元の状態に戻っていくと溶け出していたカルシウムなどのミネラルが歯に戻っていきます(再石灰化)。虫歯の初期は、この脱灰と再石灰化が繰り返されて元の歯の状態に戻れる段階になりますが、脱灰が再石灰化を上回ってしまうと歯の表面が破壊され、虫歯ができてしまいます。

歯垢(プラーク)って何でできているの?

歯垢は水分とさまざまな化学物質からなる固形成分でできていますが、歯垢1gには数千億個もの微生物が含まれておりその大部分は細菌なのです。

虫歯の発症に関わる要因

虫歯の要因イメージ

虫歯ができる要因は大きく次の4つに分けられると言われています。

  1. 個体要因

    ①性別や年齢による要因
    女性は妊娠・出産・育児期に虫歯になりやすくなる傾向があります。また、乳歯が生え始まる時期や永久歯での噛み合わせが完成する時期に虫歯が発生しやすくなる傾向があります。

    ②唾液の要因
    唾液には歯を虫歯から守る働きがあります。しかし、何らかの原因で唾液の分泌量が低下すると、歯の表面の乾燥状態が続き虫歯になりやすくなります。

    唾液の作用

    唾液は1日1-1.5L分泌されると言われており、睡眠中は分泌量が減少し、昼間特に食事をとる際に分泌量は増加します。

    作用1:咀嚼・嚥下の補助作用

    唾液中の成分により、食べ物を噛み砕いて飲み込むことを円滑にします。

    作用2:味覚作用

    食べ物の味物質は、唾液中に溶け出して舌に存在する味蕾という部分で感知されます。

    作用3:消化作用

    唾液の成分により、デンプンが分解されます。

    作用4:緩衝作用

    唾液中に含まれるイオンには周辺環境を中性に近づける作用があります。

    作用5:潤滑作用

    歯の表面やお口の中の粘膜は唾液たんぱく質によって覆われており、損傷や感染から防御されています。

    作用6:脱灰に対する保護作用

    歯の表面は唾液中の成分により脱灰から保護されています。

    作用7:再石灰化作用

    唾液中に含まれるカルシウムイオンやリン酸イオンなどは、脱灰された歯の表面の再石灰化を促進します。

    作用8:微生物に対する作用

    唾液中の成分の中には、細菌やウイルスに対して防御作用を示すものが報告されています。

    作用9:洗浄作用

    唾液はほぼ水分からできており、歯や粘膜に付着する異物を希釈し洗い流す作用を持っています。

    ③歯の要因
    歯の種類や歯の表面の性状によって虫歯へのなりやすさに差があります。

    歯の種類:

    乳歯では上の前歯や下の奥歯が虫歯になりやすいと言われています。永久歯では下の奥歯、ついで上の奥歯が虫歯になりやすいと言われています。

    歯の面:

    歯の表面の中でも虫歯になりやすい領域が存在します。

    虫歯の三大好発部位

    ・奥歯の噛む面にある歯の溝部分
    ・歯と歯の間
    ・歯と歯茎の境目

    上記はいずれも歯垢が停滞しやすい陥凹部にある歯の領域になっているのが分かるかと思います。一方で、歯の豊隆部や前歯の先端などについては常時自然に清掃されやすい領域のため虫歯になりにくい部分となっています。
    歯の成熟度:
    生えたての歯の表面は未成熟であるため虫歯になりやすい状態です。歯が生えた後、唾液や飲食物などにさらされることで成分を取り込み、数年かけてだんだんと成熟していきます。

  2. 微生物の要因通常、中性または弱酸性にある歯垢内のpHですが、飲食物の摂取により細菌が産生した酸の影響で大きく変動します。一般的にpH5,5以下で脱灰が始まりますが、糖を含む飲食物の摂取頻度と摂取量が高かったり、お口の中に虫歯がたくさんある環境があったりなど酸を産生する細菌の生息割合が高まるほどpHの低下が大きく、中和されるまでに時間がかかると言われています。
  3. 飲食物の要因①砂糖
    砂糖の摂取状況は虫歯のなりやすさと重症度に強い関連があると言われています。
    ②糖質
    摂取するものに含まれる糖質の種類によって細菌の酸産生量が変わってきます。デンプンなどの多糖類はお口の中で代謝されにくいためpH変動への影響は少ないですが、グルコースなど単糖類などは歯垢内のpHを低下させやすいです。
    ③食物の物性
    肉類、野菜、果物など繊維質が多い食品は、歯の表面を清掃する力が高いため細菌が直接栄養にはしにくく、粘着性も低いことからお口の中に停滞しにくいです。一方、お菓子などはお口の中に停滞しやすいため摂取すると虫歯になりやすいものになります。
  4. 時間の要因飲食物を摂取する頻度(特に間食の頻度)が高まると、お口の中での糖の停滞時間が長引き虫歯が多発・重症化しやすいことが知られています。さらに、歯の表面に歯垢(プラーク)が大量に付着していると虫歯が発生し、進行が加速します。したがって、間食の頻度を少なくし、食事もだらだら長時間にわたって取らない、食後は歯磨きをしっかりするということが虫歯の発生と進行を抑制するために私たちができることになります。
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