永久歯の成長が進み、永久歯が乳歯の歯根に近づくことが刺激となって乳歯の歯根が吸収されていきます。だいたい2-3年かけて乳歯の歯根吸収が進行し、乳歯は抜けていきます。
1. 前歯の生え変わり
6-7歳頃になると前歯の生え変わりが始まります。上の永久歯の前歯(中切歯)が生えてくる過程では、左右の前歯の間に隙間があり「ハ」の字の状態になります。
この生え変わりの状態は正常なものであり、次に生えてくる隣の前歯(側切歯)に押されて中切歯間の隙間は閉鎖に向かい、更に次に生えてくる犬歯に押されてその隙間は自然に閉鎖されます。この時期を「みにくいアヒルの子の時期」と呼ぶこともあります。
永久歯は上の前歯も下の前歯も乳歯の歯根の内側に位置しています。そのため、下の前歯で永久歯の移動量が少ないと、乳歯が抜ける前に乳歯の内側に永久歯が生えてきてしまい、乳歯と永久歯が混在する場合もあります。
2. 奥歯の生え変わり
9-10歳頃になると犬歯から奥歯の生え変わりが始まります。乳歯側方歯群(乳犬歯、第一乳臼歯、第二乳臼歯)によって確保されていたスペースに、永久歯側方歯群(犬歯、第一小臼歯、第二小臼歯)が生えてくることになります。
リーウェイスペース
Leeway space
乳歯側方歯群(乳犬歯、第一乳臼歯、第二乳臼歯)の幅の総和と永久歯側方歯群(犬歯、第一小臼歯、第二小臼歯)の幅の総和の差をリーウェイスペースといいます。リーウェイスペースは上顎で約1mm、下顎で約3㎜と言われており、乳歯3本分の幅の方が永久歯3本分の幅よりも大きく、永久歯への生え変わりの時期に正常に永久歯がならぶための余地を確保していると考えられています。最終的にはこのリーウェイスペースは第一大臼歯が前方に移動することにより閉鎖していきます。