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保定について

保定について|堺市で矯正歯科を行う、しま歯ならび矯正歯科

保定 retention とは?

保定

矯正治療によって目的の位置に移動した歯や顎の位置や状態を、長期的に保持し安定させるための処置のことを「保定」といいます。
矯正治療後に獲得した歯ならびや噛み合わせは不安定なものであり、後戻りをするリスクがあります。歯を動かすことよりも動かした位置に維持しておくことの方が難しいといわれるほど、保定は非常に重要であり、保定も矯正治療の一部になります。頑張って治療して整えた歯ならびや噛み合わせを維持するために、保定装置もしっかり使用するようにしましょう。

保定はなぜ必要なの?

  1. 歯茎などの歯の周りの組織は、歯の移動とともに矯正治療の影響を受けています。歯を動かすために矯正装置を撤去したとしても、これらの組織が再編成されるまでには時間がかかるため、保定装置を装着して組織を安定化させる必要があります。
  2. 矯正治療により目的の位置に移動された歯は、本質的に不安定な位置にある可能性が高いといわれています。それは、主にお口の周りの筋肉(唇や頬、舌など)から加えられる圧力の影響を受けやすく、常に後戻りしやすい環境にあるからです。
  3. 骨格の成長パターンの異常が原因で矯正治療を行った患者さんの場合、成長期間中は本来の成長パターンが持続することが多いため後戻りしやすい状態にあります。そのため、保定装置をしっかり使用することはもちろん、定期的にご来院いただき歯ならびや噛み合わせの状態を慎重に管理していく必要があります。

保定の種類

  1. 自然的保定 natural retention矯正治療で獲得した歯ならびや噛み合わせを自然の力で保持することをいいます。矯正治療で歯を動かした後、すぐに自然的保定へ移行することはほとんどありません。多くの方は、保定装置を一定期間使用して歯ならびや噛み合わせが安定したと判断された後に自然的保定へ移行します。

    ★自然的保定へ移行するための条件

    お口の周りの筋肉がバランスのよい力となることで、矯正治療後の歯ならびや噛み合わせを安定させるための保定力として作用できること

    お口まわりの癖がないこと

    歯ならびと関係のある癖
    について詳しくはこちら

    矯正治療により得られた新しい環境に対して、歯肉などの歯の周りの組織や顎関節を含めた顎の骨が適応し、調和がとれていること

    理想的な歯ならびや歯と歯どうしの接触関係など噛み合わせの関係自体が保定力として作用できること

    上顎と下顎における成長発育の不調和や成長による変化がないこと

  2. 器械的保定
    mechanical retention
    矯正治療で得られた歯ならびや噛み合わせが、上記の条件(自然的保定へ移行するための条件)をクリアするまで保定装置を用いて保定することをいいます。
  3. 永久保定
    permanent retention
    長い間器械的保定を行っても後戻りの可能性が高いと予測される歯ならびや噛み合わせの場合、矯正治療後に被せものなどを使用して永久的に歯を固定することを永久保定ということがあります。

保定装置 retainer

当院で主に使用している保定装置の種類をいくつかご紹介します。大きく分けると以下の2種類に分類されますが、患者さんの歯ならびや噛み合わせ、生活習慣を考慮して保定装置を選んでいます。

★可撤式保定装置

可撤式保定装置の特徴:

  • 取り外し可能なタイプの保定装置
  • お口の中をきれいに保ちやすい
  • 装置の清掃が簡単
  • 装置の使用状態は患者さんに委ねられるため、装置をしっかり使用しないと十分な保定効果が得られない
  • 装置の紛失や破損がおこりやすい
  1. Hawley タイプリテーナー前歯にワイヤー、上顎と下顎の内側にはプラスチックのプレートが設置されている装置になります。
  2. Begg タイプリテーナーBeggタイプリテーナー
    前歯から奥歯にワイヤー、上顎と下顎の内側にはプラスチックのプレートが設置されている装置になります。
  3. クリアリテーナークリアリテーナー
    歯全体を覆うタイプの透明な装置になります。

★固定式保定装置

固定式保定装置の特徴:

  • 歯に固定するタイプの保定装置
  • 固定式のため、使用状態に関わらず保定効果が得られる
  • 固定式のため、丁寧に歯磨きを行わないとお口の中をきれいに保つのが難しい

犬歯間保定装置
歯の裏側にワイヤーを接着して連結する装置になります。ワイヤーと歯肉の間の歯磨きが難しく、歯石も付着しやすくなるため、より丁寧な歯磨きが必要になります。特に、下の前歯のガタガタが強かった方や矯正治療後に親知らずが生えてくることで前歯に力が加わることが予想される方などに使用されることが多いです。

※その他

矯正装置をそのまま保定装置として使用する場合
小児矯正治療後は、矯正装置を保定装置として使用する場合があります。拡大床、リンガルアーチ、ヘッドギアなどが使われます。

子どもの矯正装置
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保定期間

不正咬合(歯ならびや噛み合わせの乱れ)の種類や原因、不正の程度、矯正治療の期間、治療方法、歯の周りの組織の状態、年齢など個人差が大きいため保定期間を一律に決定することはできません。患者さん1人ひとりの歯ならびや噛み合わせの状態を確認しながら決定していきます。可撤式保定装置の場合、保定期間へ移行した直後は食事と歯磨き以外の時間は保定装置を使っていただくようお伝えしておりますが、歯ならびや噛み合わせの安定を確認しながら徐々に保定装置の使用期間は短縮されます。

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