1. ブラケットの装着
- 歯の表面をブラシで清掃し、プラーク(歯垢)を除去します。プラークが付着しているとブラケットが接着しづらくなります。
- 歯の表面を乾燥させ、接着剤を塗布していきます。唾液が付着するとブラケットが接着しづらくなるため、唇や頬、舌の近くにロール状の綿を入れさせていただきます。
- ブラケットに接着剤を塗布し、歯の表面の適正な位置に配置します。
接着する歯の種類によってブラケットの接着する位置が違ってくるため、専用のゲージで測定しながら配置をしていきます。その他、歯の軸や歯根の方向、隣の歯との関係性などさまざまなポイントを総合的に判断してポジショニングを行います。
- ブラケットの位置が決定したら、光を当てて硬化させます。
- それぞれの歯に対して、上記の手順でブラケットを装着していきます。
2. ワイヤーの装着
- ワイヤーをブラケットの溝(スロット)に挿入していきます。
- 結紮
ブラケットのウイングに金属線やゴムリング(モジュール)を括り付けることで、ワイヤーをブラケットに固定することを結紮といいます。
歯の移動方法によっては、結紮せずに留め具のついたブラケットを使用する場合もあります。
モジュール
について詳しくはこちら
- ワイヤーの長い部分を切断します。
※ゴムの装着
患者さんの歯や噛み合わせの状態に応じて、ゴムの装着を行うことがあります。
- 顎間ゴム(ゴムかけ)ワイヤーやブラケットに付与されたフックにゴムをかけることで、ゴムの力を利用して歯を移動する力を強化したり噛み合わせを整えたりするために使用します。
- パワーチェーン歯と歯の隙間を閉じたり、捻じれている歯を回転させたりするなどさまざまな場面で使用されることがあります。
矯正用ゴム
について詳しくはこちら
※バンドの装着
製作が必要な矯正装置を使う場合やブラケットが外れやすい大臼歯、歯に金属のかぶせ物が入っていてブラケットが接着しにくい場合などはバンドを歯に装着することがあります。
バンド band:金属でできた輪っか状の装置で、さまざまなサイズの中から患者さんに合った大きさのバンドを選択して使用します。
1. 歯間分離(セパレーション:separation)
バンドを挿入するための隙間を歯と歯の間に作るため、ゴムを挿入します。3日から1週間程度するとわずかなスペースができます。
歯間分離
について詳しくはこちら
2. バンドの試適
- 歯と歯の間に装着していたゴムを取り外します。
- バンドを歯にはめていき、患者さんの歯の大きさに合ったバンドを選択します。
3-1. 矯正装置の製作が必要な場合
矯正治療の多くの場合は、奥歯を支え(固定源)として前歯を移動させていますが、固定源としての奥歯は反作用を受け、多少の移動をしてしまいます。
このような現象をできるだけ防ぐために、固定の機能を強化する矯正装置を装着する場合があります。
- バンドを歯にはめた状態で歯の型取りを行います。
- バンドを歯から外して歯の型にはめ込み、バンドが装着された模型にて矯正装置を製作します。
- 矯正装置を歯に装着します。
矯正装置の例
3-2. ブラケットが外れやすい大臼歯や金属のかぶせものが入っている歯にブラケットを装着する場合
- バンドへ適切なブラケットの位置をマーキングします。
- バンドを取り出し、マーキングした位置にブラケットを溶接していきます。
- ブラケットが溶接されたバンドを歯に装着します。