- 上顎に力を加えて幅を広げ、歯をならべるためのスペースを確保していく装置です。上顎の成長に影響を与えるため、比較的強い力がかかります。
- 上顎の骨とその中央にあるつなぎ目(正中口蓋縫合※)が、横方向に拡大されます。
- 急速拡大装置の拡大時には、キログラム単位の力が発揮されます。
- 上顎の幅が狭く、歯が生えるスペースが不足している患者さんに使用されます。上顎にあるつなぎ目(正中口蓋縫合※)を広げるため、8-18歳くらいで使用される場合が多いです。
- 急速拡大装置は、バンドとワイヤー、拡大ねじで構成されています。
- 上顎に装着する、固定式の装置になります。バンドを奥歯に接着剤で固定して装着します。固定式のため患者さんご自身では取り外しはできません。
- 装置の作製には歯の型取りが必要になります。
- 装置を拡大するためにねじ回しが必要になります。1回拡大ねじを回すごとに0.2mmほど拡大されます。
- 急速拡大装置装着期間の目安は9-12か月です。患者さんの歯ならびの状態にもよりますので、個人差があります。
※正中口蓋縫合ってなに?
上顎の骨は左右2つに分かれていて、中央にあるつなぎ目を正中口蓋縫合といいます。急速拡大装置を使用することで正中口蓋縫合を開き、生じた空隙に骨が出来上がることで上顎全体の幅が拡大します。急速拡大装置は成長期に使用する装置になりますので、子どもの矯正で使用されます。上顎を拡大することで鼻腔の拡大、更には鼻呼吸を促す効果を期待して使用する場合もあります。