睡眠と呼吸とお口の関係性について
春光天地に満ちる春陽のみぎり、皆様におかれましては健やかにお過ごしのことと存じます。
堺市鳳のしま歯ならび矯正歯科 院長の島です。
生来のアレルギー体質が災いし、鼻や目に直接攻撃を仕掛けてくる花粉や黄砂もまた季節を告げる風物詩、そう思わないとやりきれない思いで今日も花粉と闘っております。
さて、今日は「睡眠とお口の関係性」についてお話させて頂きたく思います。
日頃みなさんはどれくらいの睡眠時間を確保してらっしゃるでしょうか?
恐らく長くて6-7時間、短い方は4-5時間位という方も少なくないのではないでしょうか。
2008年のデータですが、Kakizakiらは以下の内容を報告しています。
「日本人女性を対象とした前向きコホート研究で、1 日 7時間睡眠の女性と比較して、それより短い睡眠時間の人は乳がんのリスクが高かった。睡眠時間と乳がんリスクの間に有意な逆相関が見られ、睡眠時間が 6 時間以下の女性は有意に乳がんのリスクが高くなることが認められた。」
Sleep duration and the risk of breast cancer: the Ohsaki Cohort Study
M Kakizaki, S Kuriyama, T Sone, K Ohmori-Matsuda, A Hozawa, N Nakaya, S Fukudo, and I Tsuji
Br J Cancer. 2008 Nov 4; 99(9): 1502–1505. Published online 2008 Sep 23.
睡眠不足は、日中の疲労感、集中力の低下などはよく知られていますが全身の疾患にも大きく関与します。上記論文はその一つに過ぎず、様々な研究がなされています。
では睡眠不足とお口の中の関係はどうなのでしょうか?
睡眠時間と歯ぎしりについて2022年に Tsuchiya らが興味深い報告をしています。
「歯ぎしりは睡眠障害と関連があることが知られています。乳幼児期の睡眠時間(生後1か月、6か月、1 歳、1 歳半、3 歳時)と歯ぎしり癖の有無(2 歳時、4 歳時点)の関連について解析を行った結果、乳幼児期の睡眠習慣が将来的な歯ぎしり癖に影響を与える可能性が示唆された。」
「新生児期(生後1か月時)の睡眠時間が短いほど、歯ぎしり癖の発生が高い傾向(2歳と 4 歳時点の両方)が確認された。特に、夜間の睡眠時間が歯ぎしり癖の発生と強く関連しており、2 歳と 4 歳時点の両方で習慣的な歯ぎしり癖が確認された子どもは睡眠時間が短いほどリスクが顕著に多い傾向があった。」
Sleep Med. 2022 Dec;100:71-78.doi: 10.1016/j.sleep.2022.07.018. Epub 2022 Aug 6.
Prospective association of short sleep duration in newborns with bruxism behavior in children: The Japan Environment and Children’s Study (JECS)
Masahiro Tsuchiya , Shinobu Tsuchiya , Haruki Momma , Koh Mizuno , Ryoichi Nagatomi , Nobuo Yaegashi , Takahiro Arima ; Japan Environment and Children’s Study Group
当院にもお子さんの歯ぎしりや、イビキでお悩みの患者さんの保護者の方がよく来院されます。
寝る子は育つ、とはよく言ったもので新生児期における睡眠時間が小児期の歯ぎしりと関与している、というのはとても興味深く、面白いデータです。
このように、睡眠や呼吸は我々の生活とは切っても切れないほど密接に関与しており、全身疾患から歯ぎしりまでその影響は多岐にわたります。
全ての状況を改善できるわけではないですが、お口の中の状況と呼吸と睡眠は当院も意識して矯正治療を行っております。検査で呼吸の状態を調べることもできます。
気になった方は是非一度ご相談にいらして下さい。
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