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医療コラム

乳歯と永久歯の違い 〜歯の一生を知って健康な口腔を守ろう〜|【公式】しま歯ならび矯正歯科|堺市西区鳳駅の矯正歯科

乳歯と永久歯の違い 〜歯の一生を知って健康な口腔を守ろう〜

 

お子さまの歯が1本目に生えたときの喜び、乳歯が抜けて永久歯に生え変わるときの成長の実感。歯の成長は、親として見守る中でとても大切な節目ですね。

子どもの笑顔に見える白い歯。それは、ただの「歯」ではなく、健康な成長を支える大切なパートナーです。小さな乳歯はやがて抜け落ち、大人の歯=永久歯にバトンタッチします。しかし、それぞれの歯にはきちんと役割があり、守ってあげるべき理由があります。今回は、乳歯と永久歯の違いをわかりやすくご紹介し、毎日のケアがどれほど大切かをお伝えいたします。


【第1章:乳歯と永久歯の違いって?】

◆乳歯とは?
乳歯は「子どもの歯」とも呼ばれ、生後6か月頃から3歳半くらいまでに20本が生えそろいます。役割としては、食べ物をかみ砕くだけでなく、顎の発育や発音、永久歯が正しい位置に生えるための“道しるべ”にもなります。また、乳歯の健康状態は、将来の永久歯の状態にも影響を与えることがあります。

◆永久歯とは?
永久歯は一生使う大人の歯で、6歳頃から13歳頃にかけて徐々に乳歯と入れ替わります。親知らずを含めると、通常32本生えますが、中には親知らずが生えない人もいます。

種類 乳歯 永久歯
本数 20本 28〜32本
生える時期 6か月〜3歳半 6歳〜13歳以降
白っぽく透き通る やや黄味がかった白
大きさ 小さくて丸みあり 大きくてしっかりした形
役割 成長と発達の補助 咀嚼、発音、審美性など長期的な機能

乳歯は永久歯が正しい位置に生えるためのガイドとなる重要な存在です。そのため、乳歯の健康が将来的な歯並びやかみ合わせにも深く関係してくるのです。

また、乳歯と永久歯の違いは、見た目だけでなく内部構造にも及びます。乳歯の象牙質は柔らかく、神経までの距離も短いため、虫歯の進行が非常に早いことが特徴です。


【第2章:乳歯のケアがなぜ重要なの?】

「どうせ生え変わるから大丈夫」と思われがちですが、それは大きな誤解です。乳歯が虫歯になってしまうと、痛みや食事のストレスを引き起こすだけでなく、将来生えてくる永久歯に悪影響を及ぼす可能性があります。

◆乳歯の虫歯リスク
乳歯は永久歯よりエナメル質(歯の表面)が薄く、虫歯が進行しやすいのが特徴です。放置すると痛みや炎症、永久歯への悪影響もあります。また、虫歯がひどくなると乳歯の根の先に膿がたまり、それが永久歯の発育に支障をきたすことも。

◆乳歯が健康だと永久歯も整いやすい
乳歯が正しく機能していれば、顎や顔の骨格がバランスよく育ちます。また、乳歯が早く抜けすぎると永久歯がずれた位置に生えてくる可能性もあります。

◆こんな習慣が大切!

  • 寝る前の歯磨きは必須

  • ジュースやお菓子は時間を決めて

  • 歯科医院で定期検診を

  • 甘い飲み物はストローを使って前歯に触れない工夫を

  • フッ素入り歯磨き剤の活用

虫歯菌は親からうつる?
虫歯の原因菌であるミュータンス菌は、生後19か月〜31か月の間に母子感染することが多いとされています。親御さんも一緒に口腔ケアを見直すことが大切です。


【第3章:永久歯が生えそろうまでにできること】

永久歯への生え変わりは6歳頃から始まり、13歳頃にほぼ完了します。この期間は「混合歯列期」と呼ばれ、乳歯と永久歯が混在している不安定な時期です。ここでのケアが将来の歯並びやかみ合わせを大きく左右します。

◆生え変わりのスケジュール
以下は一般的な目安ですが、個人差があります。

年齢 生える/抜ける歯
6歳 第1大臼歯(6歳臼歯)、下の前歯の乳歯が抜ける
7〜8歳 上下の前歯の永久歯が生える
9〜10歳 犬歯・側切歯の乳歯が抜ける
11〜13歳 小臼歯と第二大臼歯が生える

◆6歳臼歯の重要性
6歳頃に生えてくる「6歳臼歯」と呼ばれ、噛み合わせの基準となる非常に大切な歯です。しかし生える位置が奥で気づきにくく、磨き残しが多いため虫歯になりやすい歯でもあります。保護者の方の仕上げ磨きと定期的な歯科検診とフッ素塗布が効果的です。

◆歯並びチェックのタイミング
混合歯列期の中盤(8〜9歳頃)には、歯科矯正の相談に適したタイミングです。顎の成長バランスや歯の生えるスペースが不足していないかを確認し、必要に応じて早期治療を始めることが可能です。

歯の生え変わり、ここに注意!

乳歯は永久歯に押し上げられるようにして自然と抜けていきます。でも時にはちょっとしたトラブルもあります。

こんなときは歯医者さんに相談を!

  • 永久歯が変な位置から生えてきた(ずれている)

  • 乳歯がなかなか抜けない

  • 永久歯がなかなか生えてこない

  • 乳歯と永久歯が並んで生えて「二重歯列」になっている

お口の中を日々チェックし、気になることがあれば早めの受診をお勧めします


【第4章:正しい歯磨き習慣のつけ方】

◆歯磨きのスタートはいつから?
最初の乳歯が生えたら、歯磨きデビューのタイミングです。ガーゼでやさしく拭うことから始め、少しずつ歯ブラシに慣れさせていきましょう。

◆年齢別ケアのポイント

  • 0〜2歳:仕上げ磨き中心。1日2回、特に就寝前に。乳児用の小さなヘッドの歯ブラシを使用。

  • 3〜5歳:自分で磨く練習を始める時期。必ず仕上げ磨きを大人が行う。

  • 6〜9歳:永久歯が生え始める大切な時期。6歳臼歯を意識して磨く。

  • 10歳〜:自立磨きが目標。時々チェックし、汚れが残りやすい場所の磨き方を教える。

◆歯磨きの基本ステップ

  1. 歯ブラシは鉛筆持ち

  2. 小刻みにやさしく動かす

  3. 奥歯の溝、前歯の裏側、歯と歯茎の境目を重点的に

  4. 最後にうがいでしっかりとゆすぐ

◆仕上げ磨きのコツ

  • 明るい場所で寝かせ磨きが基本

  • 無理に口を開けさせず「お口の体操」でリラックス

  • 子どもの好きな音楽や動画と一緒に歯磨きタイムを楽しく

歯磨きを嫌がるときは?
無理に押さえつけると歯磨き嫌いになることも。磨けたごほうびシールや、親子で一緒に磨く習慣で乗り切りましょう。

【第5章:食事と噛む力の育て方】

◆噛む力は子どもの成長に欠かせない!

噛む力は、単に食べ物を細かくするだけでなく、脳の発達や顎の成長、正しい歯並びにも深く関わっています。よく噛むことで唾液の分泌も促され、口内環境の健康維持にもつながります。

◆よく噛むための食事のポイント

  • 固さや食感のバリエーションを増やす

    柔らかすぎるものばかり食べていると、噛む力が育ちにくいです。野菜は生野菜や蒸し野菜、果物はりんごの薄切りなど、噛みごたえのある食材を取り入れましょう。

  • 食事時間はゆったりと確保する

    食べる時間が短すぎると噛む回数が減ります。家族で食卓を囲み、よく噛む習慣づくりをサポートしましょう。

  • 一口の量を小さくする

    大きすぎる一口は丸飲みを誘発します。お子さまがしっかり噛めるよう、小さめの一口を心がけて。

  • 食事中の姿勢に注意する
  • 食卓の椅子は必ず両足のつくものか正座で食事するようしましょう。足がつかない場合は足置きを用意して、座る位置や環境にも注意してください。

◆おすすめメニュー例

食材例 噛みごたえポイント 料理例
にんじん 生や蒸しで硬さを調整 にんじんスティック、サラダ
りんご 薄切りでシャキシャキ感 りんごのスライス、コンポート
ごぼう 食物繊維豊富で繊維質が硬い きんぴらごぼう
いか・たこ 噛み応えがある魚介類 イカの炒め物、たこ焼き
お肉(鶏肉) 柔らかくて噛みやすいが、しっかり筋肉を使う 鶏肉の照り焼き、ハンバーグ

◆食事以外でもできる噛む力アップの工夫

  • おやつにガムやせんべい(適切な硬さのもの)を取り入れる

    噛む回数が増え、顎の発達を促します。

  • 噛むことを促す遊びやトレーニング

    食事の前に「パクパク体操」など口周りの筋肉をほぐす遊びを取り入れると、噛む力の向上に役立ちます。

◆食事と歯の健康を守るためのアドバイス

  • 食後はできるだけ歯磨きをする

  • 水やお茶で口をすすぐ習慣をつける

【第6章:歯科医院との上手な付き合い方】

◆歯科医院は「予防」と「安心」のためのパートナー

お子さまの歯の健康を守るには、日々のケアに加え、定期的な歯科検診がとても大切です。歯科医院は虫歯を治す場所というだけでなく、虫歯予防や歯並びチェック、早期発見・早期治療のための心強い味方です。

◆定期検診のメリット

  • 虫歯の早期発見・早期治療が可能に

    小さな虫歯や歯ぐきのトラブルは、自宅では気づきにくいこともあります。プロの目でチェックしてもらうことで、悪化を防げます。

  • フッ素塗布やシーラントで予防効果アップ

    フッ素は歯を強くし、虫歯を防ぐ効果があります。また、奥歯の溝を特殊な樹脂で埋めるシーラントは、虫歯の入り口を塞ぐ役割を果たします。

  • 歯並びやかみ合わせのチェック

    早い段階で問題が見つかれば、顎の成長を利用した矯正など、負担の少ない治療が可能です。

◆初めての歯科受診のポイント

  • 怖がらせずに、楽しいイメージを持たせる

    病院の雰囲気や治療器具を紹介した絵本や動画を一緒に見るのもおすすめです。

  • 保護者もリラックスしていることが大切

    子どもは親の気持ちを敏感に感じ取ります。緊張せず、ポジティブな言葉かけを心がけましょう。

  • 歯科医院選びのポイント

    小児歯科専門医がいる、子どもに優しい対応をしてくれる、通いやすい場所にあるなど、安心できる医院を選ぶと良いでしょう。

◆歯科医院での定期ケアの流れ

  1. 口の中のチェック

    虫歯や歯ぐきの状態を丁寧に診察します。

  2. 歯のクリーニング

    家庭では落としきれない汚れや歯石を除去します。

  3. フッ素塗布

    歯の再石灰化を促進し、虫歯予防に役立ちます。

  4. ブラッシング指導

    お子さまや保護者に合わせた磨き方を教えてもらえます。

  5. 必要に応じた矯正相談

    歯並びの問題があれば、早期治療のアドバイスを受けられます。

◆ご家庭でできる歯科医院との良い関係作り

  • 定期検診の予約は欠かさずに

    虫歯の予防は継続が命。スケジュール管理はしっかりと。

  • 治療や検診の前後は褒めるチャンス!

    歯医者さんで頑張ったらご褒美や楽しい時間を用意して、通院が苦痛にならないようにしましょう。

  • 気になることは遠慮せず相談を

    小さな変化や不安も、歯科医師やスタッフに話すことで適切な対応ができます。

歯科医院で教わるブラッシング法を、毎日の習慣にするには「ゲーム感覚」が効果的です。例えば、

  • タイマーを使って「2分間歯磨きチャレンジ」

  • 歯磨きポイントをチェックリストにして達成感アップ

  • 家族みんなで同じ時間に歯磨きタイムを設ける

このように楽しみながら続けることで、お子さまも前向きに取り組めます。

【Q&Aセクション:親御さんからよくある質問とその回答】

◆Q1:乳歯の虫歯は放っておいても大丈夫ですか?

A1:絶対に放置しないでください。

乳歯の虫歯は進行が早く、痛みや炎症を引き起こすだけでなく、永久歯の健康にも悪影響を及ぼします。早めに歯科医院で治療を受け、しっかり予防することが大切です。

◆Q2:永久歯が生えるまで、乳歯のケアはどのようにすれば良いですか?

A2:基本は毎日の丁寧なブラッシングと定期検診です。

乳歯のケアは永久歯の土台作りにつながります。フッ素入りの歯磨き粉を使い、親御さんが仕上げ磨きをしてあげると安心です。また、甘い飲み物やお菓子は時間を決めて与え、虫歯リスクを減らしましょう。

◆Q3:歯並びが気になるのですが、何歳頃から矯正を始めるのが良いですか?

A3:矯正のタイミングは個人差がありますが、8〜9歳頃の混合歯列期に一度歯科矯正専門医に相談するのがおすすめです。

早期に問題がわかれば、顎の成長を利用した負担の少ない治療が可能です。気になる点があれば早めに専門医に相談しましょう。

◆Q4:子どもが歯医者を怖がっています。どうしたら慣れてくれますか?

A4:無理に連れて行くのではなく、楽しいイメージを作ることから始めましょう。

歯医者さんの絵本や動画を一緒に見たり、治療器具を紹介するなど、ポジティブな体験を積み重ねることが大切です。親御さんもリラックスしていることが、子どもの安心につながります。

◆Q5:フッ素は安全ですか?どのくらい使えば良いですか?

A5:フッ素は虫歯予防に非常に効果的で安全な成分です。

子ども用のフッ素入り歯磨き剤を使う際は、歯ブラシにごく少量(米粒大)をつけ、飲み込まないように注意しながら磨きましょう。歯科医院でのフッ素塗布も定期的に受けるとより効果的です。

◆Q6:食事で気をつけるポイントは何ですか?

A6:噛みごたえのある食材を取り入れ、よく噛む習慣をつけることが重要です。

また、甘い飲み物やお菓子は時間や量を決めて与え、食後は水やお茶で口をすすぐなどの習慣も心がけましょう。


【まとめ】

乳歯と永久歯の違いや役割を理解し、日々のケアや生活習慣を整えることは、お子さまの健やかな成長と笑顔のために欠かせません。歯科医院との連携を大切にしながら、親子で楽しく健康な歯を育てていきましょう。

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