矯正のゴールとは②
夏真っ盛りですね。高校球児達の手に汗握る熱戦を毎日夜見るのが好きです。
いつまで経っても甲子園で戦ってる高校生達が年上に見えてしまうのですが、実際は干支が一周り以上年下なんですよね。不思議な感覚です。
本日は、前回の続き、「矯正歯科ってどうなれば終わりなの?」という質問に対して詳しくご説明させていただきます。
矯正治療においてまず目指すべきゴール設定が以下の通りなのですが、
① 適切な奥歯の噛み合わせ (AngleⅠ級の臼歯関係を目指す)(以下臼歯関係)。
② ガタガタ(以下叢生)を解除した上で適切な前歯の垂直的、水平的な被り具合(適切なoverjet、overbite)。
③ 上下顎歯列の正中を一致させる。
今回は、その中の②についてになります。
ガタガタ、つまり叢生は「顎の大きさ(歯が並びうるスペース)と歯の大きさの不調和」によって発生します。
当たり前のことを言うようですが、歯は顎骨の範囲内でしか動くことができません。
ガタガタが起こりうる状況としてシンプルに場合分けすると、「顎が小さい」(細かく分けると先天性疾患や遺伝による劣成長や歯の干渉による劣成長など多岐にわたります)、もしくは「歯が大きい」(比較的珍しいパターンでは歯の本数が多いと言う場合も)ということで発生します。
顎が小さい場合において、考えられるのが「顎を大きくする」と言うことですが、実は結構大変な場合が多いです。
まず顎骨の「幅(歯列弓幅径)」なのですが、
小児矯正の場合、急速拡大装置という装置で顎骨の幅を拡大することができます。
成人矯正の場合、「M S E」と呼ばれる成人版の急速拡大装置のようなものを使用する方法があります。しかしM S Eの場合、上顎骨口蓋部にネジ(歯科矯正用アンカースクリュー)を打ち込まなければならないので少し大変です。
次に、顎骨の「前後径(歯列弓長径)」ですが、
小児矯正の場合、「上顎前方牽引装置」と呼ばれる装置を使用して前方に引っ張って顎骨成長の前方誘導を行います。
成人矯正の場合、外科的手術なしに顎骨を前方に成長させることはかなり難しいです。
顎骨を大きくすると言うアプローチが難しい場合、歯へのアプローチを検討していきます。
歯が大きい場合、大きく分けて2パターン考えられます。
①歯と歯の間を卵の殻1枚分程度削り、隙間を作る(ストリッピング、I P R)
②歯を抜いて顎骨との調和をとる。
③奥歯を後ろ(遠心)に移動させて前歯をならべるスペースを確保する。
私も含めて歯科医師はできるだけ歯を削らない、抜かないで済む方法を模索します。
しかし、歯を抜いた方が綺麗になる場合や、体に無理な負担がかからないと判断した場合は提案させていただく場合があります(歯を絶対抜いて!などと押し付けたりはしません)。
次に、前歯の垂直的、水平的な被り具合(適切なoverjet、overbite)についてです。
垂直的(overbite) : 上顎の中切歯(一番前の歯)の先端が、下顎の中切歯の先端と2-3mmほど蓋っているのが理想と言われています。
水平的(overjet) : 上顎の中切歯先端が、下顎の中切歯先端とやはり水平的に2-3mmほど蓋っているのが理想と言われています。
患者さんのお口の中の状態や歯の健康状態なども加味して治療方針を決定していきます。
実際にお会いすれば、より詳しいお話ができると思います。
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