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ワイヤー矯正でよく使用される装置と治療の流れ

ワイヤー矯正でよく使用される装置と治療の流れ|堺市で矯正歯科を行う、しま歯ならび矯正歯科

ワイヤー矯正でよく使用される装置

ワイヤー矯正で使用する矯正装置は、主にブラケットとワイヤーで構成されています。

  1. ブラケット bracket

    歯の表面に装着するボタンのような装置で、ブラケットにワイヤーを通すことによって矯正力を歯に伝えることができます。ワイヤーから移動すべき歯に効率よく力が伝わるように設計されているため、複雑な形をしています。
    ブラケットの中央には、ワイヤーを挿入するための溝が水平方向に入っており“スロット”といいます。スロットの上下にはワイヤーをブラケットに括り付けて固定するための“ウイング”といわれる引っかかりがあります。
    ブラケットの素材はさまざまありますが、当院では目立ちにくいブラケットを使用しております。

  2. ワイヤー wire

    歯に装着したブラケットの溝(スロット)にワイヤーを装着して使用し、さまざまな形状や素材のものがあります。

    ワイヤー

    形状とサイズ

    ラウンドワイヤー:断面が円形のワイヤーです。サイズは直径0.012”(約0.3mm)~直径0.022”(約0.55mm)のものがあります。

    角ワイヤー:断面が四角形のワイヤーです。サイズは0.016”×0.022”(約0.4mm×約0.55mm)~0.0215”×0.028”(約0.55mm×約0.71mm)のものがあります。

    基本的に、治療の始めは細いラウンドワイヤーを使用しますが、だんだん角ワイヤーや太いワイヤーへ交換し治療が進んでいきます。

    素材

    ニッケルチタン(Ni-Ti)ワイヤー:歯に加わる力が一定で持続的に作用し(超弾性)、ワイヤーがもとの形に復元する(形状記憶)特徴があります。矯正治療の始めの段階である、歯のガタガタを取り除く際に主に使用されます。

    ステンレススチール(SS)ワイヤー:硬度が高く、曲げることでカーブやループを付与することができるため、細かい歯の移動や位置の修正が可能です。

    ※当院では、表面が白くコーティングされている目立ちにくいワイヤーも取り扱っております。ご希望の際は遠慮なくご相談ください。

矯正装置装着の流れ

1. ブラケットの装着

  1. 歯の表面をブラシで清掃し、プラーク(歯垢)を除去します。プラークが付着しているとブラケットが接着しづらくなります。
  2. 歯の表面を乾燥させ、接着剤を塗布していきます。唾液が付着するとブラケットが接着しづらくなるため、唇や頬、舌の近くにロール状の綿を入れさせていただきます。
  3. ブラケットに接着剤を塗布し、歯の表面の適正な位置に配置します。
    接着する歯の種類によってブラケットの接着する位置が違ってくるため、専用のゲージで測定しながら配置をしていきます。その他、歯の軸や歯根の方向、隣の歯との関係性などさまざまなポイントを総合的に判断してポジショニングを行います。
  4. ブラケットの位置が決定したら、光を当てて硬化させます。
  5. それぞれの歯に対して、上記の手順でブラケットを装着していきます。

2. ワイヤーの装着

  1. ワイヤーをブラケットの溝(スロット)に挿入していきます。
  2. 結紮
    ブラケットのウイングに金属線やゴムリング(モジュール)を括り付けることで、ワイヤーをブラケットに固定することを結紮といいます。
    歯の移動方法によっては、結紮せずに留め具のついたブラケットを使用する場合もあります。

    モジュール
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  3. ワイヤーの長い部分を切断します。

※ゴムの装着

患者さんの歯や噛み合わせの状態に応じて、ゴムの装着を行うことがあります。

  • 顎間ゴム(ゴムかけ)ワイヤーやブラケットに付与されたフックにゴムをかけることで、ゴムの力を利用して歯を移動する力を強化したり噛み合わせを整えたりするために使用します。
  • パワーチェーン歯と歯の隙間を閉じたり、捻じれている歯を回転させたりするなどさまざまな場面で使用されることがあります。

矯正用ゴム
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※バンドの装着

製作が必要な矯正装置を使う場合やブラケットが外れやすい大臼歯、歯に金属のかぶせ物が入っていてブラケットが接着しにくい場合などはバンドを歯に装着することがあります。

バンド band:金属でできた輪っか状の装置で、さまざまなサイズの中から患者さんに合った大きさのバンドを選択して使用します。
バンド

1. 歯間分離(セパレーション:separation)

バンドを挿入するための隙間を歯と歯の間に作るため、ゴムを挿入します。3日から1週間程度するとわずかなスペースができます。

歯間分離
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2. バンドの試適
  • 歯と歯の間に装着していたゴムを取り外します。
  • バンドを歯にはめていき、患者さんの歯の大きさに合ったバンドを選択します。
3-1. 矯正装置の製作が必要な場合

矯正治療の多くの場合は、奥歯を支え(固定源)として前歯を移動させていますが、固定源としての奥歯は反作用を受け、多少の移動をしてしまいます。
このような現象をできるだけ防ぐために、固定の機能を強化する矯正装置を装着する場合があります。

  • バンドを歯にはめた状態で歯の型取りを行います。
  • バンドを歯から外して歯の型にはめ込み、バンドが装着された模型にて矯正装置を製作します。
  • 矯正装置を歯に装着します。

矯正装置の例
矯正装置

3-2. ブラケットが外れやすい大臼歯や金属のかぶせものが入っている歯にブラケットを装着する場合
  • バンドへ適切なブラケットの位置をマーキングします。
  • バンドを取り出し、マーキングした位置にブラケットを溶接していきます。
  • ブラケットが溶接されたバンドを歯に装着します。

装置調整

基本的には月1回ご来院いただき、歯の移動状態の確認とワイヤーやゴムの交換を行います。治療の段階によって、ワイヤーを曲げてカーブやループを付与することがあります。形状やサイズの異なるワイヤーへ交換していくことで段階的に歯に力をかけて移動させていきます。
ワイヤーの長さは変わらないため、歯が移動していくとその分のワイヤーが奥歯の方から飛び出て痛みが出ることがあります。その際はワイヤーの調整が必要になりますので、遠慮なくご連絡ください。

保定

歯ならびと噛み合わせの後戻りを防ぐため、装置を装着して経過観察を行います。

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